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ブックマーク / brevis.exblog.jp (16)

  • 『特殊病』それは日本の病気です | タイム・コンサルタントの日誌から

    自分のプロフィールに「国内外の製造業及びエネルギー産業向けに、工場作り・生産システム構築の仕事に従事してきた」などと書いているためか、「日の製造業は、海外に比べて特殊なのですか?」という趣旨の質問をされることが、時々ある。「なぜ日海外はこうも違うのでしょうか?」といった聞き方の場合もある。 こうした質問は、日海外で同等なはずのものが、なぜか違っていた、との事例とともに、語られることが多い。例えば、同じ企業のグループに属しながら、生産管理系のパッケージソフトを、海外工場ではノンカスタマイズでスムーズに導入できたのに、国内工場では苦労したあげく、失敗したという事例。あるいは、国際標準に従ったサプライチェーンの仕組みが、日国内だけどうしても使えなかった事例。 さらに、国内では立派なプロジェクトマネジメントの実績を持つ会社が、海外に出て行って遂行したら、赤字や納期遅延で痛手を被ったケー

    『特殊病』それは日本の病気です | タイム・コンサルタントの日誌から
  • 考える技法——どう考えるかより、いつ考えるかの方が大事である | タイム・コンサルタントの日誌から

    考える技法、思考のノウハウについては、世の中に数多くのやコンテンツがある。しかし、いつ考えるべきかという問題については、あまり論じたものを見たことがない。今回はこれについて考えてみよう。 Systems Thinkingの方法論などで知られるジェラルド・M・ワインバーグの名言に、「やり方(Know-how)よりも大事なのは、しおどき(Know-when)だ」と言う言葉がある。良い結果を得るためには、どのようにやるかの方法を知ることも必要だが、いつどんな時にその方法を用いるべきかを知ることの方が大切だ、と言う意味である。

    考える技法——どう考えるかより、いつ考えるかの方が大事である | タイム・コンサルタントの日誌から
  • エンジニアリングを再設計する | タイム・コンサルタントの日誌から

    エンジニアリング会社で、それなりに長い間、働いてきた。昨日、4月1日は入社式の日だ。自分のときもそうだった。考えてみるとずいぶん昔のことだが、なんだか、ついこの間のようにも感じる。 率直に言うと、同じ会社でこんなに長く働くとは思っていなかった。エンジニアリング会社は受注産業だ。仕事が取れなくなれば、すぐに倒産する。入社したときに、「この会社は3年もつだろうか」と思ったことを記憶している。 長く働く間に、わたしも人並みに「よそに転職しようか」と思わなかった訳ではない。だが、製造業にも建設業にも、コンサルティング会社にもIT企業にも転じなかったのは、やはり「エンジニアリング」という仕事に、それなりにこだわりをもっていたからである。

    エンジニアリングを再設計する | タイム・コンサルタントの日誌から
  • その頭の使い方は、ちょっともったいない | タイム・コンサルタントの日誌から

    頭の良し悪しは、生まれつきだ、と信じる人は多い。こういう人達にとって、教育の目的とは、生徒の能力を引き出してのばす事ではなく、生まれつき高い能力を持った生徒を、選別するためにある。 ご承知の通り、受験勉強の中には、何の役に立つのか不明な知識を、沢山覚え込むような面もある。だが、『頭の良さ=生まれつき』論者は、あまり問題を感じないらしい。「記憶という知的能力を選別する事自体に意義があるのだから、試験で覚える知識が有用かどうかは、副次的な問題」という風に、考えるようだ。 また、この種の論者は、しばしば、「優秀な人は何をやらせても優秀だ」と信じる傾向がある。ということで、受験競争という選別プロセスの中で勝ち残った、優秀な人材は、将来どんな分野のどんな職種に進もうと、つねに上位のポジションを与えるべきだ、という理屈になる。 そういう意味で、こうした信憑を持つ人々は、「教育」というものの効用を、二重

    その頭の使い方は、ちょっともったいない | タイム・コンサルタントの日誌から
    facebooook
    facebooook 2021/12/08
    “もったいない頭の使い方。(1) 心配事や不安や怒りの感情にふりまわされている場合。(2) 「頭が良い自分」を誇示する事自体が、自己目的化している場合”
  • 書評:「哲学入門」 戸田山和久 | タイム・コンサルタントの日誌から

    「『哲学入門』ってを書いてて忙しいんだよ、といったら、は『あんたいつの間にそんな偉そうなを書く身分になったのよ』と答えた。じつにその通り。確かに偉そうだ。どうせ偉そうなんだから、ついでに言ってしまう。書は、哲学の中核にみなさんをいきなり誘い込むことを目論んでいる。わっ、言ってしまった」

    書評:「哲学入門」 戸田山和久 | タイム・コンサルタントの日誌から
  • プロジェクトを計画しすぎてダメにする方法 | タイム・コンサルタントの日誌から

    「日企業は、計画しすぎなんです。」——最近、ある外資系戦略コンサルタントから、こんなセリフを聞いた。いわゆるDXに関する話題の時だ。「計画して、それも細かく緻密な計画を立てて、石橋をたたくようにリスクを全て洗い出してから、はじめようとします。そして動き出したら、すぐ進捗率を問題にする。でも、そんなやり方では、イノベーションは動きません。」 たしかにまあ、日企業、とくに製造業は、まず計画ありきで動いていると言ってもいい。年度計画(いわゆる「予算」)、月度計画、小日程計画・・。建設業も、似たところがある。全体工程表、月間工程表、週間工程表、等々。現場に行くと、計画表は、必ず目立つ位置にはり出してある。 だが、新しいビジネスモデルを創出するような、イノベーティブな試みは、目指すべき目的地が最初から決まっている訳ではない。登るべき山の頂が明確なら、アプローチの経路を地図の上に引き、どこまで登っ

    プロジェクトを計画しすぎてダメにする方法 | タイム・コンサルタントの日誌から
  • 書評:「橋本治のかけこみ人生相談」 橋本治・著 | タイム・コンサルタントの日誌から

    これはまあ、それこそ「考えてみれば」当たり前の真実なのだが、たぶんそう考えない人が多い。なぜなら、考えるという行為は、ほとんど物心ついたときからやっている『自然な』ことで、誰でもできるし、そのやり方を誰かに教わった訳でもないから、だろう。 当は、わたし達は考えるという行為を、親や兄弟を真似て習い覚え、学校でも一応それなりに教育されてきたのだ。だが、なにせ教える側が、「これが考える行為の上手なやり方だ」という風に、親切に説明してくれない。しかも、問題だけ一方的に与えられ、かつ、考える途中プロセスではなく、回答という結果だけを、判断・評価される。だから「考える方法」は、自分流に身につけるしかない。

    書評:「橋本治のかけこみ人生相談」 橋本治・著 | タイム・コンサルタントの日誌から
  • 管理とは何か、を明らかにする12の質問 | タイム・コンサルタントの日誌から

    何度か書いたことだが、わたしはこのサイトでは原則、「管理」という言葉を使わないことにしている。「管理」という日語は多義的で、人により文脈により、何を指すのかブレが大きすぎるからだ。「ちゃんと管理しておけよ!」——そんな風に、部下が上司に叱られたとき、上司が求めていたことは何だったのか。部品材料の保管のことなのか、取引の追跡把握(トラッキング)のことなのか、人への作業指示のことなのか。あなたは間違いなく言い当てられるだろうか? じつはこの稿、最初は製番管理について書こうと思って、内容を考えはじめたのだ。きっかけは、ある知人からの質問であった。『製番管理』とは、数ある生産管理方式の一つである。日ではかなり広く用いられている方式だ。だが、これを理解しようとすると、どうしても生産形態と生産方式の区分、そしてそれらと生産管理方式との関係への目配りが必要になる。 ところで、生産方式と生産管理方式、

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  • トランスフォーメーション(変革)を可能にするために | タイム・コンサルタントの日誌から

    去年の2月上旬頃だったが、ある証券会社の営業マンの訪問を受けた。もちろん金融商品の売り込みに来た訳だ。ちょうどそのころ、クルーズ船ダイヤモンド・プリンセス号が3700人の乗客を乗せたまま、横浜港の外に釘付けになっていた。わたしは、武漢で発生したウィルス危機は中国の外にも広がって、国際的に経済の問題をひき起こすのではないかと、懸念を口にした。すると、くだんの営業マン氏は笑って、「NYダウは史上最高値ですよ」と答えた。 わたしは結局、彼のすすめる商品には手を出さなかった。2月下旬を過ぎ、3月に入ると欧州に都市封鎖(ロックダウン)が広がり、経済的影響は明らかだった。株価は下がり、いろいろなところに損失が出た。航空分野を筆頭に、飲・サービス業など多くの分野の企業業績が低迷した。やれやれ、言わんこっちゃないと、わたしは内心考えた。

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    facebooook 2021/01/12
    COVID-19
  • サービス経済から、ふたたび実物経済の時代へ | タイム・コンサルタントの日誌から

    「私のプロファイル」 にも書いているとおり、ここ数年は勤務先での中長期的なIT戦略の立案と遂行に、たずさわっている。世の中は少し前からDigital Transformation、略してDXというバズワードが席巻しており、わたしのような者のところにも、戦略コンサルやらITベンダーが入れ代わり立ち代わりやってきては、DXの話をしてくれる。何事も勉強と思い、ありがたく拝聴させてもらっているが、だんだん耳にタコができたような気がしてきた。だって、皆が同じ話をするのだ。 その最大のキーワードは、経済の『サービス化』である。サービタイゼーション(Servitization)という、あまり聞き慣れない英語もついている。これまでの世の中は、せっせとモノを作っては売る、物の経済の時代であった。しかしその時代は終わりを告げ、いまやサービスを中心としたソフトなビジネス・モデルに転換すべき時である。そう、来客の

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  • 危機対応のマネジメントをダメにする『政治主義』とは何か | タイム・コンサルタントの日誌から

    前回の記事(「危機なんて、ほんとに管理できるのか?ーー現場感覚という事」 2020-03-16)では、事前対策的なリスク・マネジメントと、事後対応的な問題管理(イシュー・マネジメント)は、全く別のものだと書いた。別のものだが、もちろんこの2つは車の両輪で、どちらも必要だ。 ただ、わたしの経験では、英米系企業は「計画万能」的な態度が強く、リスク・マネジメントを重視したがる(PMBOK Guideにも、その傾向は伺える)。他方、日企業は「現場力」に自信を持つ傾向が強く、事前対策は軽視するきらいがある。 だからといって、日企業は、いったん事が起きたあとの事後対応に強いかというと、一概にそうは言えまい。それは発生するトラブル事象(イシュー)の、種類と数によるのではないか。テクニカルな種類のトラブルには、比較的強いと思う。日企業のミドルや現場の技術者・ワーカーは、概ね優秀であり、責任感も強い。

    危機対応のマネジメントをダメにする『政治主義』とは何か | タイム・コンサルタントの日誌から
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    facebooook 2020/03/29
    “「政治主義」経済合理性よりも、個人や徒党の利害・権力争いを優先させる。ビジネスにおける政治主義は、三つほどの特徴的な思考習慣を持っている。リーダーシップ信仰、敵失追求重視、現実無視の楽観主義”
  • 危機なんて、ほんとに管理できるのか?ーー現場感覚という事 | タイム・コンサルタントの日誌から

    わたしのこのサイトでは、管理という言葉を極力使わないようにしている。このことはすでに何回か書いたので、あまり詳しくは繰り返さないが、日語の管理に対応する英語は、Management, Control, Administrationの3つのレベルがあって、海の向こうでは使い分けされている。これに比べ、日語の『管理』は語義が広すぎて、何のことを指しているのか誤解しやすい。 それでも、管理が何を指すかは、「管理できていない状態」と比べると、少しは明確になるかもしれない。管理できていない状態というのは、どんなイメージか。 70年代、ようやく少しずつ開放の始まった中国を、私の父が訪れた。父は機械エンジニア出身で、機械メーカーの役員だった。中国でいくつかの大規模な工場を訪れ、当時普及し始めたNC(数値制御)工作機械の、研究と導入について相談を受けたという。 しかしそこの工場たるや、加工品を床の上に

    危機なんて、ほんとに管理できるのか?ーー現場感覚という事 | タイム・コンサルタントの日誌から
  • 危機における技術のマネジメントとは | タイム・コンサルタントの日誌から

    「どうだ、状況は?」 「かなりヤバイ。温度が上がってきている。液面も落ちてきた。」 「困ったな。一番の問題は容器内の圧力だろう。今どれくらいある?」 「計器のトラブルでよく分からないんだ。表面温度から見てたぶん7~8気圧くらいになってる」 「設計圧力は?」 「4.5だ。5や6くらいまでなら持つ自信はある。でも8となると、正直厳しい。」 「時間との勝負だな。安全弁をふかせるしかないか。ポンプさえきちんと回せれば抑え込めるはずなんだが。」 エンジニアは、こういうしゃべり方をする。ちなみに、上の会話は創作である(念のため)。エンジニアの会話は、数字と見込みと判断と、そして感覚からなっている。これは、科学者や、役人や、政治家や、法律家の話し方とはずいぶん違う。科学者は「ヤバイ」という言葉遣いはしない。科学者は論理的に確実なことしか言わないし、論理的でないことを言えば、科学者でなくなってしまう。政治

    危機における技術のマネジメントとは | タイム・コンサルタントの日誌から
  • 忘れない、という行き方 | タイム・コンサルタントの日誌から

    ある日、あなたは福島県から来た企業家に会って、こんな話を聞く。 「震災から4年余りが経ったが、地域の復興はなかなか進まないばかりか、世間の人はもう忘れたがっているようにさえ見える。あなたは東大で環境の研究をしておられるそうだが、東北の環境浄化や自然エネルギー活用のための斬新な案をお持ちではないだろうか。もし良いアイデアがあれば、わたしも事業の傍ら応援したいし、資金獲得のお手伝いくらいはできると思う。」 あなたは「環境再生ないし自然エネルギー活用による、東北地域復興プロジェクト」の案を考えて提案することを約束した。 プロジェクトの総予算は3億円とする(ちなみに復興庁の今年度予算は3.9兆円で、「再生可能エネルギー」関連だけで計23億円ある)。また、必要に応じてクラウドファンディング(「セキュリテ被災地応援ファンド」等)でも公募できる。 ・・これは、東大の大学院・新領域創成科学研究科でわたしが

    忘れない、という行き方 | タイム・コンサルタントの日誌から
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    facebooook 2015/08/14
    “全体像が分からないと、どこから優先して解決に手をつけるべきかも見えない。ただ個別のプロジェクトが動いているきり”
  • なぜアメリカに海外工場を展開しないのか? | タイム・コンサルタントの日誌から

    デンバーでの仕事を終えたわたしは、テキサス州ヒューストンに向かった。最近開設したばかりの新しいオフィスで、グループ企業の幹部と打合せするためだ。全米のOil & Gas業界のメッカであるヒューストンは現在、非常な好景気にわいている。もちろんシェールガス革命のおかげである。米国の経済状況はまだら模様で分かりにくいが、少なくともエネルギー関係の産業は活況であり、そのためプラント系エンジニアも人手不足状態になりつつある。 シェールガス革命については、いろいろな事がいわれているが、的外れな解説も日ではときどき見かける。Oil & Gasの分野の用語や技術が、分かりにくいからだろう。当サイトで1年ほど前に『シェールガス革命と、エネルギー価格のゆくえ』とう記事を書いたが、その後の情勢などは、いずれ項を改めて書こうと思う。しかし今回は、別のテーマである。それは、なぜ日の製造業は、海外に工場展開を考え

    なぜアメリカに海外工場を展開しないのか? | タイム・コンサルタントの日誌から
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    facebooook 2014/04/27
    「その分、社内訓練の蓄積効果も高い。もちろん、アメリカはルールとシステムで仕事を動かす国であって、日本のような手厚い社内教育は必要ない。(そのかわり、きちんとルールとシステムを設計しないと会社は回らな
  • アメリカン航空に乗るおじさんの日記 - サービス業の本質とリスクについて | タイム・コンサルタントの日誌から

    ロス・アンジェルス空港についたのは朝の10時過ぎだった。デンバーへの接続便は午後3時前の予定だ。待ち時間が数時間あるが、接続ではありがちなことだ。時間を過ごすため、わたしは同僚のFさんと一緒にアメリカン航空のラウンジに入った。飲み物をとって椅子にくつろぎ、まだ時差ボケの頭でとろとろと過ごしていた。 午後になり、飲み物をもう一回取りに行くついでに、大型ディスプレイをチェックした。発着便の予定時刻とゲート番号が表示されている。ここのラウンジでは静けさを守るため、一々のアナウンスはしていない。最近はこういう所が多い。ところで、デンバー便を見て驚いた。On TimeとかDelayedとかステータスを表示する欄に、赤い文字で"CANCELLED"とあるではないか。 あわててFさんと一緒にカウンターに行き、担当者にたずねる。キャンセルとあるが、どういうことか。相手は(白人の中年女性だったが)、"Yes

    アメリカン航空に乗るおじさんの日記 - サービス業の本質とリスクについて | タイム・コンサルタントの日誌から
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