宮崎県日南市は、全国でも珍しい「マーケティング専門官」を設置した。企業とのコラボレーション企画を数多く実施し、注目を集めている。自治体競争時代を生き抜くために必要な、マーケティング戦略とは何か。 大堂津の漁協女性部とIT会社が協働で発足させたプロジェクト「うみっこかあちゃん」 宮崎県南部に位置する人口約5万5000人の日南市は、古くから伊東氏が治めた飫肥城下町と、飫肥杉の搬出を行う油津港を中心に栄えた。歴史や風情ある街並が残り、海岸沿いには鬼の洗濯板や鵜戸神宮などの観光資源が点在し、漁業も盛んだ。 2009年に日南市と北郷町と南郷町の3市町が合併し、新・日南市が誕生した。新しい地域資源との融合により、魅力を外に発信するマーケティング戦略を推進している。 2013年、当時33歳という九州最年少で崎田恭平氏が新市長に当選。公約のひとつに掲げられた「マーケティング畑の民間人登用」に抜擢されたのが