撮影・中 恵美子 「猫と本とビールがある暮らし」。そんな余生を夢見ていた僕が、会社勤めをしているうちに猫の本屋を開きたいと思ったのは2016年春のこと。マーケティング会社で働き続けて「このままの人生じゃつまらない」とモヤモヤ考えるようになり、50歳目前に貯金が1000万円貯まったタイミングで準備を始めました。 といっても、普通のサラリーマンに書店経営のことなんてまったくわかりません。そこで本屋開業のセミナーへ通って、先輩方のアドバイスを受けることに。短期集中で多くの学びと出会いに恵まれたおかげで、まずクラウドファンディングによる支援金の募集で開業資金の一部を調達。勢いで買った中古戸建ての自宅兼店舗へのフルリノベーションも、支援者の協力を借りて実現することができました。 準備から開業までの一年間で実感したのは、ひとりでも多くの方から共感を得ることの大切さです。夢の猫本屋を趣味や自己満足で終わ