直木賞の受賞が決まった真藤順丈さんは、東京都出身の41歳。 大学を卒業後、自主制作映画を手がけたのち20代後半から本格的に小説を書き始め、平成20年に「地図男」や「庵堂三兄弟の聖職」など4つの異なる作品が立て続けに新人賞を受賞し、華々しいデビューを飾りました。 直木賞は今回、初めての候補での受賞となりました。 受賞作の『宝島』は、戦後、アメリカ占領下の沖縄で米軍から物資を強奪して暮らしていた「戦果アギヤー」と呼ばれる若者たちの視点で、昭和47年の本土復帰までの20年間を描く青春群像劇です。 基地を襲撃した「戦果アギヤー」の英雄が行方不明になったあと、残された3人の男女がその消息を追いながら懸命に生きる姿を沖縄の戦後史の流れの中で描いた長編小説で、現代の基地問題につながる重いテーマを扱いながらも、沖縄の方言を多用した饒舌かつ軽快な語り口で物語が進みます。
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