私の職業は哲学者です。そういって自己紹介すると、たいていは「へー変わってますね」とか、「どうして哲学なんか始めようと思ったんですか」と聞かれます。もちろんそこにはいろいろ理由があるわけですが、きかっけは別にして一言でいうと、「あまのじゃく」だからだと思います。 あまのじゃくというのは、つまりひねくれているということです。私は子どものころからずっとひねくれていました。大学生になっても、社会人になっても。最初は商社マンだったのですが、普通の会社でひねくれていると、変わり者扱いされます。市役所でも働いていたことがありますが、やはりひねくれていたので、入庁当時はよく上司とぶつかったものです。 そんな中で哲学に出会い、ハッとしたのを覚えています。哲学は物事の本質を探究する学問なのですが、そのためにはまず「当然こうだろうな」という考えを疑ってみなければなりません。そうでないと本当の姿など見えないからで
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