「AWSの年間売上高は1兆円。もちろん危機感は持っている」。富士通の田中達也代表取締役社長はこう話す。パブリッククラウドの市場で急速に事業を拡大しているAmazon Web Services(AWS)の成長ぶりは驚異的だ。富士通の田中社長は「中長期的にクラウド関連事業の比重を高めていかなければいけない」と説明する。 富士通は今、IoT(インターネット・オブ・シングズ)や人工知能(AI)などを駆使して顧客のデジタル変革を支援する「デジタルサービス」の事業を、成長の柱として掲げる。クラウドサービス事業は、デジタルサービスの拡大に欠かせない提供基盤だ。だが同社は現時点で、クラウドサービスの提供体制を十分に整備できていない。 富士通はデジタルサービスを提供するソリューション製品群を「MetaArc」と呼ぶブランドで体系化している。パブリッククラウドサービス「K5」のほか、AI技術を体系化した「Zi