ノーベル文学賞に日系イギリス人のカズオ・イシグロ氏が選ばれたといううれしいニュースが飛び込んできた。 日本には公共図書館が3261カ所あり、この10年でその姿は静から動へ、大きく変化してきた。きっかけを作ったのが佐賀県武雄市図書館だ。蔦屋書店を運営するカルチュア・コンビニエンス・クラブ(CCC)に指定管理者制度で企画・運営を任せ、カフェの併設、新刊本の販売、ビデオレンタル、Tポイントカードによる貸し出し等、民間企業のサービスを前面に押し出し、滞在時間と利用者数を倍増させた。 東京の千代田図書館は携帯電話、打ちあわせOKゾーンの整備、あえてビジネス関連図書を貸し出さず常に閲覧できる状態を作り出すなど、ビジネスマン重視の運営を行っている。筆者が基本コンセプトを書いた富山市立図書館は、ガラス美術館との合築。中心市街地の集客施設と位置付け、公共交通で来場してもらい、帰りに商店街で買い物や飲食へと回