国旗国歌法制定や教育基本法改正以降、教育現場や公の場で国旗掲揚・国歌斉唱を推進する動きが広がっている。現場の公務員はお上の通達を事務的にこなしているだけなのであろうが、そもそも何のために行う施策なのか目的を見失ってしまっているような気がする。 結論から言うと、保守系政治家の自己満足+コアな支持者向けのパフォーマンスというベクトルと、政治家に教育問題に関心を持ってもらって教育予算を多く確保したい官僚組織のベクトルの合力によって推進されていると言っていいだろう。 困ったことに、保守系政治家やそのコアの支持者は、既に多くの現場でより多くの国旗が掲揚され、より多く国歌が斉唱されることに関心を持つのでなく、国旗・国歌に反対する勢力を公権力によって成敗して欲しいということにより多くの関心を持っているような気がする。反対勢力が罰せられることにカタルシスを得る一種のゲーム参加の感覚になってしまっている。