郵便不正事件「冤罪報道」は氷山の一角 「無罪」が確定してもベタ記事扱いで終わった「ヤミ金資金洗浄事件」外銀元行員の報道被害 指定暴力団山口組旧五菱会絡みのマネーロンダリング(資金洗浄)事件で2004年に逮捕・起訴されたクレディ・スイス元行員、道傳(どうでん)篤--。彼について「資金洗浄の指南役」として記憶していても、無罪を勝ち取ったという事実を知る人は少ないのではないか。 海外を舞台にした資金洗浄の摘発は初めてで、「ヤミ金融の帝王」梶山進が中心にいただけに、この事件はマスコミで大きく取り上げられた。「指南役」としての道傳にも注目が集まった。ところが、無罪が確実になると、大新聞は道傳のことを忘れてしまったようなのだ。 前回の記事(「郵便不正事件 なぜ『推定有罪』がまかり通るのか」)では、郵便不正事件で逮捕・起訴された厚労省元局長、村木厚子について「幸運だった」と書いた。刑事裁判の有罪率が9