若い世代の生活が安定しない。文部科学省の学校基本調査(速報値)によると、今春大学を卒業した人のうち、22・9%もが非正規雇用や進路未定だ。実数にして約12万8千人である。4人に1人が安定した職に就いていない異常な事態となっている。 内訳は、派遣や契約などが2万1990人、アルバイトといった一時的な仕事が1万9596人、進学も就職もしていない進路未定者は8万6638人だ。さらに、進路未定者のうち3万3584人は進学、就職のどちらの準備もしていない「ニート」である。 職が安定しなければ、結婚は難しい。厚生労働省が2010(平成22)年に実施した「社会保障を支える世代に関する意識等調査」によると、非正規雇用の30代男性の75・6%が未婚だ。前回2004年の45・5%に比べ、30ポイントも増加した。正規雇用者の未婚率は30・7%だから、明らかに不安定な雇用が結婚を遠のかせている。大命題は置き去り