■証言者・一二三慎太(3) ドラフト会議で指名された選手は、入団時にメディカルチェックを受けることが義務づけられている。2010年のドラフトで阪神から2位指名を受けた一二三慎太(ひふみ・しんた)は、その惨憺(さんたん)たる診断結果を見て、なかば「そうやろな」と納得してしまった。 ■【イップスの深層】サイドスロー転向の一二三慎太が見せた甲子園の奇跡 「関節唇は破れているし、腱板も切れている。肩のどこが痛いというのではなくて、全部が痛かったですから。最初から『これはもう、リハビリやな』と言われていました」 医師からは手術を勧められ、本人も手術したいという希望を伝えた。しかし、球団は難色を示した。一二三はまだ18歳と若い。肩にメスを入れれば、少なくとも1年以上は棒に振ってしまうことだろう。ならば、保存療法に取り組んではどうか。インナーマッスルや周辺の筋肉をトレーニングして補強する方法もある。球団