歴史は、「戦争」から「平和」へ、「差別」から「平等」へ、「抑圧」から「解放」「自由」へ──、前へ前へと進むものだと思っていました……。 ……それは半分正しく、半分は間違っています。 カンジス河の夜明け 歴史 は、長い視野で見れば、前進と後退を繰り返しながら大きくは前進していくけれども、前へ推し進めようとする当事者たちの、現状を変えていこうとする力が働かなければ、勝手には進まないようです……。なぜなら、いったん有利な地位についたり、利益を手にした人間の、権力に対する執着心は、虐げられたのものがその日その日を精一杯生きていくことに注いでいるエネルギーよりもはるかに強く、大きく、圧倒的強大で、想像を絶するものだからです……。 3年前、大阪のインド領事館でインドのビザを申請するとき、申請書には男性も女性も、父親の名前を書く欄がありました……。故人になっていたら、名前のあとに(Late)、と書いて、
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