「金利差モデル」の崩壊 2月に突如として始まった主要国株式市場の大幅調整だが、その震源地は米国の債券市場だといわれている。 もともと、米国長期金利(10年物国債利回り)は昨年9月頃から緩やかな上昇基調にあったが、それでも2.5%を下回る低水準で推移していた。これが、今年に入ってから次第に上昇ピッチを強め、3%台をうかがう展開をみせたことが投資家に嫌気され、株価の下落につながったとされている。 米国長期金利上昇の背景には、このまま米国景気の好調が続くと、やがてインフレ率が上昇し始め、それがFRBの加速度的な金融引き締めにつながることを投資家が懸念し始めたためだと推測される。 このような長期金利の上昇(債券価格の下落)と株価の下落の同時進行は、金融引き締めの初期に典型的にみられる現象である。思い起こせば、日本のバブルが崩壊し始めた1990年にも同様のことが起こったと記憶している。 米国市場の混