顧客の要望を聞き、営業担当者がまとめたシステム概要図。これを見た顧客はシステム導入計画の“欠陥”に気付いた。さらなる顧客支援が、今度は顧客が突破口を開く後押しとなる。 「我々がやりたかった単品管理は無理だ。このプロジェクトは見送るべきか」。 音頭金属の社長である音頭則靖は、提案書を見つめながら心の中でつぶやいた。提案書は、RFID(無線ICタグ)ソリューションを提案したソーバル(東京都大田区)の営業部第2営業グループ次長である脇義昌が、音頭金属に対し作成したものだ。 音頭が注視するページには生産工程管理システムの概要図があった。音頭の考えるRFIDの活用方法をヒアリングし、分かりやすく脇がまとめたものである。 音頭金属の主力事業は「カウンターウェイト」と呼ぶ、クレーンやショベルなどの重機に取り付けるおもりの製造だ。音頭は脇が作った図を見て、自分たちが想定したRFIDの活用方法では、同社が製