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ブックマーク / honz.jp (46)

  • 2011-2024 この13年間における最高の一冊 - HONZ

    2011年7月15日にオープンしたノンフィクション書評サイトHONZ。日2024年7月15日をもちまして13年間のサイト運営に終止符を打つこととなりました。 2011年の東日大震災から、記憶に新しいコロナ禍まで。はたまたFacebookの時代からChatGPTの到来まで。その間に紹介してきた記事の総数は6105。 発売3ヶ月以内の新刊ノンフィクションという条件のもと、数々のおすすめを紹介する中で、様々な出会いに恵まれました。信じられないような登場人物たち、それを軽やかなエンターテイメントのように伝える著者の方たち、その裏側で悪戦苦闘を繰り広げていたであろう版元や翻訳者の皆さま。さらに読者へ届ける取次会社や書店員の皆さま、そしてHONZを愛してくださったすべての皆さま、当にありがとうございました。 サイトを閉じることになった理由に、明快なものは特にありません。こんなサイトがあったら

    2011-2024 この13年間における最高の一冊 - HONZ
  • 『かがくを料理する』:「サイエンス×工作×料理」のおいしい世界! - HONZ

    作者: 石川 繭子,石川 伸一,加賀 麗 出版社: オライリー・ジャパン 発売日: 2023/9/27 先般、東京出張の折に、はじめてHONZの朝会というものに参加しました。HONZのメンバーが原則(少なくとも今回は)ひとり一冊、今読んでいる、あるいはこれから読もうと思っているを持ち寄り、そのに対する期待やおもわく(?w)について語る会です。 で、そのときHONZレビュアーの首藤淳哉さんが、『かがくを料理する』というを持っていらしたのです。 いえね、「料理の科学」みたいな路線のなら、わたしもこれまで何冊も読んできたんですよ。でも、「かがくを料理する」ってなんだろ??? って不思議に思ったのです。今どき科学と料理を結び付けて新しいを出すのなら、分子調理(分子ガストロノミー)方面の実践的入門書かな? とわたしは思いました。(実際、その推測は当たらずとも遠からずでした。『かがくを料理

    『かがくを料理する』:「サイエンス×工作×料理」のおいしい世界! - HONZ
  • 『本を売る技術』本屋における暗黙知がこの1冊に! - HONZ

    書店員の仕事にはマニュアルがなく、口伝や仕事を盗んで覚えるしかないと言われてきた。そんな中『を売る技術』というが売っていたので買ってみたところ、書には自分が書店員になったときに口伝で教わったことや、誰からも教わることなく、働いていた間にトライ&エラーを繰り返して、最適解だと思ってやっていた技術が書かれていた。書を読み終えたとき、書店員になったときに、このがあれば、あんなに苦労しなくても済んだのに!という思いが強く残った。 書店を辞めてから5年近くが経ち、だんだん書店員時代の記憶もうすれつつある。自分が書店員時代に見聞きした、書店における暗黙知のようなものが、書には論理的にまとめられていた。ここまで書店員の仕事を論理的に書いてあるはいままで見たことがない。とりあえず全書店員は書を教科書のように読んだらいいと思う。加えて、10年間書店員として働いていた際、自分が意識していたこと

    『本を売る技術』本屋における暗黙知がこの1冊に! - HONZ
  • 麻酔で意識が落ちた時、何が起こっているのか──『意識と感覚のない世界――実のところ、麻酔科医は何をしているのか』 - HONZ

    麻酔で意識が落ちた時、何が起こっているのか──『意識と感覚のない世界――実のところ、麻酔科医は何をしているのか』 歴史、特に最悪の医療の歴史などを読んでいると、あ〜現代に生まれてきてよかったなあと、身の回りに当たり前に存在する設備や技術に感謝することが多い。昔は治せなかった病気が今では治せるケースも多いし、瀉血やロボトミー手術など、痛みや苦しみを与えるだけで一切の効果のなかった治療も、科学的手法によって見分けることができるようになってきた。 だが、そうした幾つもの医療の進歩の中で最もありがたいもののひとつは、麻酔の存在ではないか。正直、麻酔のない世界には生まれたくない。切ったり潰したりするときに意識があるなんてゾッとする──現代の医療に麻酔は絶対絶対必須だ。そのわりに、患者に麻酔を施す麻酔科医の仕事は光が当たりづらい分野である。何しろ実際に手術や治療を担当することはめったにないから、麻

    麻酔で意識が落ちた時、何が起こっているのか──『意識と感覚のない世界――実のところ、麻酔科医は何をしているのか』 - HONZ
  • 『事実はなぜ人の意見を変えられないのか』 不都合な真実から目を背ける人たち - HONZ

    具体的な数字やデータを示してもダメ。明晰な論理で説いてもムダ。そんなとき、あなたはきっとこう思ってしまうのではないか。「事実はなぜ人の意見を変えられないのか」。 実際問題、日々の生活でそんな思いを抱いてしまう場面は少なくないだろう。失敗例がすでにいくつもあるのに、それでもまだ無理筋を通そうとする社内のプレゼンター。子育てのあり方をめぐって、何を言っても聞く耳を持ってくれないパートナーなど。また不思議なことに、たとえ高学歴の人であっても、「事実に説得されない」という点ではどうやらほかの人と変わらないようだ。 さて書は、冒頭の問いを切り口としながら、人が他人に対して及ぼす「影響力」について考えようとするものである。心理学と神経科学の知見を織り交ぜつつ、著者は早々に厳しい診断を下す。 多くの人が「こうすれば他人の考えや行動を変えることができる」と信じている方法が、実は間違っていた…。 数字や統

    『事実はなぜ人の意見を変えられないのか』 不都合な真実から目を背ける人たち - HONZ
  • 『天才を殺す凡人』会社を舞台装置にした物語論としての面白さ - HONZ

    天才について書かれたを読むことにはもどかしさが伴う。天才とは何かがわかるという理解と引き換えに、自分が天才ではないという事実も受け入れなければならないからだ。 しかし書はセンセーショナルなタイトルとはうらはらに、このセンシティブな部分のさばき方が非常にうまい。 この世界は天才と秀才と凡人で出来ているという語り口から始まるのだが、その3つの「人格」を、「創造性」「再現性」「共感性」という才能に置換し、最終的には誰の中にも潜む1つの成分として着地させていくのだ。 著者は、「凡人が、天才を殺すことがある理由。」のブログ記事を昨年2月に公開。その深い洞察で、公開後に大きな話題を呼んだ。書はその論考をさらに深め、誰もが才能を活かせる状態を作るためには何が必要であるかを、ストーリー形式で解説した一冊である。 天才は創造性を、秀才は再現性を、凡人は共感性を武器にする。そして、この3者間に、感情のジ

    『天才を殺す凡人』会社を舞台装置にした物語論としての面白さ - HONZ
  • 『進化の教科書 第1巻 進化の歴史』 進化入門の決定版 - HONZ

    ハーバード大学やプリンストン大学をはじめ、全米200以上の大学で採用さている教科書『Evolution: Making Sense of Life』の邦訳3分冊の第1巻である。「教科書」といっても、書は議論の余地のない事実が淡々と積み上げられた退屈なものではない。原著者は『ウイルス・プラネット』等で知られる大人気サイエンスライターのカール・ジンマーと『動物たちの武器』のモンタナ大学教授ダグラス・J・エムレンであることからも分かるように、科学読み物としての楽しさを保ちながら、確かな知識を与えてくれる内容となっているのだ。またAmazon.comでは『Evolution』の価格は12,000円以上と高価だが、この第1巻はフルカラーの図を多く含みながら、1,680円(税別)だというのだから買うしかない。さらに、邦訳者の1人には、『化石の生物学者』の著者であり『ネアンデルタール人は私たちと交配し

    『進化の教科書 第1巻 進化の歴史』 進化入門の決定版 - HONZ
  • 『ビッグデータ・ベースボール 20年連続負け越し球団ピッツバーグ・パイレーツを蘇らせた数学の魔法』MLBは新しい時代に突入した! - HONZ

    『ビッグデータ・ベースボール 20年連続負け越し球団ピッツバーグ・パイレーツを蘇らせた数学の魔法』MLBは新しい時代に突入した!解説 by 生島 淳 ここには、ページをめくるたびに、知的な興奮がある。 ここまでメジャーリーグは進化していたのか! という純粋な驚き。そして、なおかつ読んで面白い。『ビッグデータ・ベースボール』は、ポスト『マネー・ボール』の時代でもっとも刺激的なベースボール・ブックだ。 2013年、『ピッツバーグ・トリビューン・レビュー』紙に採用されたトラヴィス・ソーチック記者は、ナショナル・リーグ中地区のお荷物球団、ピッツバーグ・パイレーツの番記者となる。かつては鉄鋼の町として栄えたピッツバーグだが、IT産業など新しい町へと生まれ変わっていた。パイレーツは鉄鋼と同じく衰退の憂き目に遭い、アメリカン・フットボール、そしてアイスホッケーの人気に押され、ファンから20年以上も見放さ

    『ビッグデータ・ベースボール 20年連続負け越し球団ピッツバーグ・パイレーツを蘇らせた数学の魔法』MLBは新しい時代に突入した! - HONZ
  • マンガ新聞 - 漫画の記事・無料連載・新刊情報・おすすめ漫画レビュー

    あなたの留守中に家に勝手に人が入って生活していますよ?それが『ヒ... 2018年09月20日 あなたが朝起きて学校や会社に行く時に鍵をちゃんと閉めて出て行って。 一日を終えて夜に帰宅した時に違和感を覚えた事無いですか? “あれ?前日の夜にシャワー浴びた後のタオルってここに置いたっけ?”...

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  • 『「全世界史」講義 教養に効く! 人類5000年史』 学びを超えた知的エンターテインメント - HONZ

    のっけから著者に反論申し上げたいことがある。出口さんは「まえがき」で、「積み重ねられた歴史を学んで初めて、僕たちは立派な時代をつくれるのではないか」という。つまり書は良き未来を創りあげるという目的のために、テキストとして読むことができると言っているように聞こえるのだ。 たしかに歴史から学ぶべきこと、いや書から学べることはあまりにも多い。それは歴史だけでなく、生き様や人間関係、組織経営に至るまで、読んでいて気付かされることが多いのに驚くばかりだ。 しかし、書は時代をつくるという崇高な目的のためだけのものではないように思われるのだ。いやそれ以上に、純粋に読む愉悦に浸ることができるだと断言できる。これからの時代を考えることはひとまず脇に置いて、早く次のページを開きたいと思わせる書は高度に知的なエンターテインメントでもあるのだ。 書を読むときのイメージは「人類5000年史」という名

    『「全世界史」講義 教養に効く! 人類5000年史』 学びを超えた知的エンターテインメント - HONZ
  • 『数学の大統一に挑む』こんな私でも数学を好きになれますか? - HONZ

    数学なんて勉強する人たちは、いったい何者なのだろう。」ノンフィクションの中でも、私が挫折した数ナンバーワンは数学である。目に見えない概念にめっぽう弱いため、数式に拒否反応が出てしまう。しかし、私のこの意見に「同感!」と思った人にこそ、是非とも読んでもらいたい一冊だ。 著者であるエドワード・フレンケル氏が数学者として自分を見出したのは、石油ガス研究所(日でいうところの工業大学)に入学して間もないころだった。学校でもっとも尊敬される教授が声をかけてきた。「数学の問題を解いてみたいと思わないかね。」 与えられた問題は「ブレイド(組み紐)群」といって、「世界中の誰ひとりとして、まだ手に入れていないもの」であったにもかかわらず、誰も予期していなかった別の抜け道を発見し、著者は不意に答えを得ることになる。以下の文は、「わたしが数学者になった瞬間のこと」として興奮を隠せない様子が伝わってくる。

    『数学の大統一に挑む』こんな私でも数学を好きになれますか? - HONZ
  • 『超ひも理論をパパに習ってみた』 - HONZ

    「シャープペンシルを使って文字を書くためにはどんな力が必要ですか?」と質問されたら、あなたはどのように答えるだろうか。 シャープペンシルを持って動かすための筋力、芯が紙を滑ることで作られた黒鉛の粉を紙の繊維のなかに残すのだから摩擦力、文字を書くのだから思考力も必要だ、などと答えるのではなかろうか。 しかし、世界中の物理学者に同じ質問をすると全員から同じ答えが返ってくるはずだ。それは電磁気力である。物理学者たちにとって力は4種類しかないからだ。重力、電磁気力、弱い力、強い力である。 筋力も摩擦力も脳の働きもすべて 電磁気力が引き起こした現象である。いろいろな原子をまとめて水やタンパク質などの分子を形作るのは電磁気力だし、その分子同士がどう結合し動くかも電磁気力によって決められる。それでは他の3つの力は何を意味しているのだろう。 重力については説明する必要はないだろう。宇宙で無重力状態を体験す

    『超ひも理論をパパに習ってみた』 - HONZ
  • 熱くて面白い。不思議な科学本『サルバルサン戦記』 - HONZ

    著者の岩田先生は、不思議なを書く人だ。自身の専門である感染症を核にして、抗生物質、ワクチン、さらにはパニックに対するリスクコミュニケーションなどを明快に論じると同時に、自らの知見、思い、そして生き方の根的な思想までもを、人に伝えようとする。つまりは「啓蒙的な」を書く人と言えるのだが、その思いが非常に強く、とにかく伝えたいことがいっぱいあるので、「啓蒙的」という枠を壊すようなパワーを持ったを次々と上梓しているのだ。 例えば、漫画家・石川雅之と組んだ『絵でわかる感染症 with もやしもん』などは、完全に専門的な内容なのに、イラストと文章で誰でも面白く、かつわかりやすく読めてしまうという不思議なだった。医学や看護学を学ぶ学生がコアな読者対象となろうが、版元は医学専門書の出版社から出されたわけではなく、講談社だ。あらゆる人に、徹底的に感染症を理解してもらいたいという、著者の熱い思いが感

    熱くて面白い。不思議な科学本『サルバルサン戦記』 - HONZ
  • 『ペテン師と天才 佐村河内事件の全貌』 第45回大宅壮一ノンフィクション賞雑誌部門受賞作 - HONZ

    『ペテン師と天才 佐村河内事件の全貌』 第45回大宅壮一ノンフィクション賞雑誌部門受賞作クラシック業界の恐るべき闇を告発する渾身のルポ 年末恒例、「今年の漢字」が発表になった。2014年(平成26年)を表わす一文字は「税」。ずいぶん直接的な文字である。 個人的には今年の漢字は「欺」にして欲しかった。美談から地に落ち、汚名まみれになった人の多かったこと。STAP細胞騒動、歌手のASKAの麻薬、30年前の従軍慰安婦報道の過失を認めた朝日新聞、号泣県議、福岡と京都で発覚した連続夫殺しの二人の女などなど、騙されてしまったなあ、と思う事件が頭をよぎる。 その中でも、一般もマスコミもひっくるめて美談にコロリといかされたのが、現代のベートーベンと称された佐村河内守のゴーストライター事件である。 2014年2月6日発売の週刊文春において、佐村河内守が作曲したという楽曲全部は新垣隆という音楽家が作ったもので

    『ペテン師と天才 佐村河内事件の全貌』 第45回大宅壮一ノンフィクション賞雑誌部門受賞作 - HONZ
  • 部活は毎年『Zero to One』。スタートアップ経営者はビジネス本を捨てて、『キャプテン』からリーダーシップを学べ!! - マンガHONZ

    ※この記事は2014年10月04日にマンガHONZ(運営:株式会社マンガ新聞)にて掲載した記事の転載になります。 レビュアー:佐渡島 庸平 は、鏡だ。 読みながら自然と浮かび上がってくる感想は、自分の心の状況を教えてくれる。 『キャプテン』という作品に没頭しながら、僕は、僕自身について学んでいた。 ちばあきおの『キャプテン』は、スポーツマンガの名作中の名作だ。 最近のマンガと比べると、絵があっさりしているかもしれない。しかし、水墨画のように洗練されて極限までシンプルにした絵で、誰にでも描けるものではない。一コマを選び取ってみて見ると、シンプルな線ながら、その選手の骨格、動きの俊敏さ、力強さが、全部、絵から伝わってくる。そして、一人、一人の選手がしっかり描き分けられている。時代の流行を追いかけた絵ではなく、当にうまい絵だから、このマンガは、さらに100年後に人が読んでも、絵が古びていると

    部活は毎年『Zero to One』。スタートアップ経営者はビジネス本を捨てて、『キャプテン』からリーダーシップを学べ!! - マンガHONZ
  • マンガ新聞 - 漫画の記事・無料連載・新刊情報・おすすめ漫画レビュー

    お金0.0 / ビットコインが★なくなりました』第9話 2018年09月28日 あなたは1000万円盗まれたらどうしますか? 役者を目指す若者「出野達也」は、思いつきで仮想通貨取引を始めた。 家族に300万円を借金して、全額投資。 瞬く間に増えるお金、豪遊に次ぐ豪遊─...

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  • 『テクニウム』 - 利己的なテクノロジー - HONZ

    もしも地団駄というものが踏めるものであるのなら、この一冊を読みながら踏んでみたいと思う。 原題は『What Technology Wants』=テクノロジーの望むもの。テクノロジーの歩みを『種の起源』のように捉え直すという束ね方に独創性があり、これまでに見聞きしてきた様々な知識が一の線でつながるようなダイナミズムに満ち溢れている内容だ。おかげで、を呼ぶような深みにはまってしまい、関連書籍から逃れられなくなってしまったほか、一体、これまで自分はその手のの何を読んでいたのだろうかとショックを受け、何もかもを一から学び直したい気持ちになった。 一口にテクノロジーと言っても、書で取り扱う対象は非常に幅広い。Facebook、Googleといった昨今のネット上のものから、電信・電話、言語や法律、石器、火の使用といった太古のものまで。日頃、その存在を意識しないほど浸透しきったものであればあ

    『テクニウム』 - 利己的なテクノロジー - HONZ
  • マンガ新聞 - 漫画の記事・無料連載・新刊情報・おすすめ漫画レビュー

    『腸よ鼻よ』11指腸 2018年09月29日 澄み渡る青い空と透き通るような海、白い砂浜のある南の島――沖縄。 この島に生まれ、蝶よ花よと育てられた1人の少女がいた。 彼女の名は島袋全優。 漫画家を志し、いずれは大都会東京での タワーマ...

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  • 『申し訳ない、御社をつぶしたのは私です。」前代未聞のビジネス書! - HONZ

    このはいまごろ、書店のどのあたりに置かれているのだろう。コア・コンピタンス、バランススコアカード、プロセス・リエンジニアリングなどという、カタカナ用語に埋め尽くされたビジネス戦略書コーナーの一角であろうか。それとも立派なビジネス書の売上に悪影響があるからと、占いのコーナーにでも追いやられているのだろうか。 ビジネス戦略書コーナーにあって、書の日語だけの長いタイトルは異質だ。刺激的なのはタイトルだけではない。帯には「前代未聞!気鋭のコンサルが内幕を暴露した全米騒然の問題作!」「マッキンゼー、デロイト……コンサルの持ち込む理論もチャートも改革も、じつは何の意味もなかった」とじつに扇情的な言葉が並ぶのだ。そして副題はなんと「コンサルタントはこうして組織をぐちゃぐちゃにする」だ。 現役のエリート戦略コンサルタントにとっては営業妨害そのものだし、経営者にとっては経営課題を丸投げできる外注先がな

    『申し訳ない、御社をつぶしたのは私です。」前代未聞のビジネス書! - HONZ
  • 『トロイアの真実』 シュリーマンは何を見つけたのか - HONZ

    一冊のは、人の一生を変えてしまうほどの力を持つことがある。8歳のときに父親からプレゼントされた『子どものための世界の歴史』は、ハインリッヒ・シュリーマンの人生をハリウッド映画よりも劇的なものに変えてしまうこととなる。幼いシュリーマンは、そのに描かれていたトロイアが炎上する挿絵の虜になり、いつかその場を訪れることを誓った。ホメロスの『イリアス』にも描かれるトロイア戦争は空想の産物であると父親にいくらいわれても、シュリーマンは聞く耳を持たず、その争いを“史実”として信じていたという。 ビジネスマンとして大成功したシュリーマンは、子どもの頃の夢を忘れることはなかった。40歳を超えたシュリーマンは蓄えた資金を携えトルコへと発掘に向かい、気の遠くなるような作業の末、ついに夢物語と思われたトロイアを発見したのである。ロマンに満ちた彼の生きざまを知ったフロイトは、「シュリーマンこそもっとも羨むべき人

    『トロイアの真実』 シュリーマンは何を見つけたのか - HONZ