サイバー空間と現実世界が高度に融合する超スマート社会「ソサエティ5・0」。全ての人やモノがつながり、さまざまな知識と情報が共有され、新たな価値が創出される時代が予測されている。そうした流れを加速する革新技術として、膨大なデータを瞬時に処理する次世代の「量子コンピューティング」への期待が高まっている。実用化のトップランナーとして脚光を浴びるのが「量子アニーリングマシン」。この次世代技術にわが国はどう向き合うのかが注目される。 日本は出生地 「日本は量子コンピューティングの出生地だ」。カナダのDウエーブ・システムズのダン・コアーズ最高財務責任者(CFO)は、5月に経済産業省が都内で主催した次世代コンピューターのシンポジウムの招待講演で、商用機で先陣を切った同社の量子アニーリングマシンと日本との関わりを強調した。 量子コンピューティングの開発をめぐっては、海外の巨大ITベンダーが競争の火花を散ら