あっという間に終わってしまう日本の夏休み。なぜ、海外では年次有給休暇(有休)を取ってバカンスに行ける国があるのか。労働法に詳しい九州大の野田進名誉教授に聞いた。 【写真】なぜ短い日本の夏休み 休めないのは「恥」のバカンス大国との違いは 野田さんが有休を取りやすい国として挙げるのが、「バカンス大国」として知られるフランスだ。1936年に通称「バカンス法」が成立、1年ごとに原則として連続した2週間の有休をとることを法律で保障している。 当時フランスでは反ファシズムのもと、分裂していた政党や労働組合が団結し、人民戦線の政府が誕生。政府、使用者団体、労働組合の間で調整が行われたことが、バカンス法成立の背景にあった。 フランスでは徐々に法定の有休期間が延び、現在は最低5週間の有休が保障され、そのうち2週間は必ず連続して夏に取得できるよう定めている。 一方、日本の有休を規定しているのは47年に制定され