アマゾンで電子書籍を購入したとき、所有権は誰のものになるのか。コロンビア大学のマイケル・ヘラー教授とカリフォルニア大学のジェームズ・ザルツマン教授は「サイト上では『購入』となっているが、実際は購入ではない。実際はAmazonからほんのわずかな権利が分け与えられただけだ」という――。
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しかし、サステナブルと「送料無料」表示の見直しが、どう関係するのでしょうか? 実は、送料無料表示が次のように連鎖して物流崩壊を引き起こす可能性が指摘されています。 送料無料となれば、消費者は配送に関わる人たちへの負荷を考慮せず、気軽に再配達を依頼する。そうした負担が配達業者に蓄積されて物流業界が疲弊し、最終的にはECのみならず、あらゆる業界の持続可能性にも悪影響を与える――。 一定額以上の購入であれば「送料無料」と謳っていた企業も、「送料当社負担」「送料割引」といった表記に改める動きが出てきています。 頑なに「送料無料」を謡い続けるヨドバシカメラ とはいえ、送料無料はネット通販を利用する消費者にとって「魔法の言葉」。その表示の有無によって、購買の明暗が分かれるところです。これまで「送料無料」を武器に儲けてきた企業にとってはジレンマでしょう。 そうした流れに負けず、「日本全国送料無料」の看板
最近、オーガニック給食を推進する動きがある。しかし、小児科医の森戸やすみさんによると「オーガニックだから健康にいいとは限らない。それよりも安全が確かめられている慣行農業の作物で十分に栄養のある給食を提供したほうがいいのでは」という――。 参議院議員・川田龍平氏の炎上 「子どもの健康が大切なのでオーガニックの食品を選んでいます」、「有機栽培の野菜しか買いません」などと言う人は少なくないでしょう。ちなみに私が住んでいる地域の選挙公報には、議員に立候補している人が数人「オーガニック給食推進」を公約に掲げていました。 昨年12月7日には、立憲民主党の参議院議員である川田龍平氏が、X(旧Twitter)に「アメブロを投稿しました。『【お知らせ】オーガニックな食事で、子どもの発達障害の症状も改善!』」と投稿し、炎上しました。発達障害は生まれ持った特性のひとつです。また、ここで危険だと書かれている農薬・
住む場所によって人生の幸福度は変わるのか。リクルート住まい研究所所長や大東建託賃貸未来研究所長として、長年「住みここちランキング」に携わってきた麗澤大学教授の宗健さんは「これまでの調査結果から、住んでいる場所と住まいを気に入っていることは、幸福度を高める可能性があるといえる」という――。 世の中には幸福になる方法論があふれている ネットで「幸せになる方法」と検索すると、「20の行動」とか「10の習慣」といったノウハウ記事がたくさん出てくる。なかには「たった一つのこと」で幸せになれると主張するものもある。 こうした記事のほとんどは、行動や思考といった個々人の意思で変えられるものを中心に解説しているが、幸福度の男女差や、年齢や家族構成による違い、職業や所得、財産による差などの影響をきちんと解説してあるものはほとんどない。 所得と幸福度の関係については、800万円から1000万円程度までは所得に
不正アクセスは韓国から始まった LINEヤフーは、SNS最大手のLINEとIT最大手のヤフーが親会社のZホールディングス(ZHD)と合併して10月1日に発足したばかり。ソフトバンクと韓国のIT大手ネイバーが大株主で、傘下にはスマホ決済最大手のPayPay、電子商取引(EC)サービス大手でファッションのZOZO、オフィス用品のアスクル、旅行の一休などを抱える。 「事件」が起きたのは、その直後だった。 同社によると、ネイバーの傘下企業の委託先の従業員のパソコンがサイバー攻撃を受けてマルウエア(悪意のあるソフトウエア)に感染、旧LINEとネイバー傘下企業の社内システムの一部を共通化していたため、LINEヤフーのサーバーも不正アクセスを受けたという。
知らない間に携帯電話の番号が乗っ取られ、携帯電話がつながらないと気づいたときには、自分の銀行口座から大金が不正送金されていた――。そんな被害が増えている。名前や生年月日、電話番号などの個人情報が大量漏洩、といったニュースが多い昨今、これはもはやひと事ではない。いったい何が起きているのか、被害の詳細をジャーナリストの浅井秀樹さんがリポートする――。 「SIMスワップ詐欺」知らぬ間に携帯番号乗っ取られる 携帯電話の端末には通話・通信を可能にするSIMカードが差し込まれている。他人の携帯電話の番号を乗っ取る犯人は、後述する方法などで不正に入手したその人物の個人情報を利用して運転免許証などを偽造した身分証明書を用意し、顔写真だけを犯人のものに入れ替えて所有者になりすます。これは完全にプロの手口で、誰もが標的にされる恐れがある。 こうしたニュースに対して「騙されるヤツがバカ」と冷たい反応をする向きも
神官の一族につながる信長の家系 室町幕府は、有力守護大名の連合政権でした。足利将軍家の後継者争いが、守護大名の覇権争いと結びついた応仁の乱によって京都は焼け野原となり、幕府は事実上崩壊して戦国時代に突入します。 そんな折、ポルトガル人が伝えた鉄砲の量産に着手したのが、尾張(愛知県)の戦国大名・織田信長でした。 織田家の遠い祖先は、忌部いんべ氏という神官の一族です。今川義元を奇襲攻撃して義元のクビを取った桶狭間の戦いの際、地元の熱田あつた神宮じんぐうで必勝祈願をしていることから、信長が無神論者ではなかったことがわかります。戦乱で荒れ果てた御所を再建したのも、天皇に対する敬意からだったのでしょう。 「天下布武」を掲げて京都に入り、室町幕府を滅ぼした信長に対し、西の毛利氏、石山本願寺、北の浅井あざい氏・朝倉氏、比叡山延暦寺が包囲網を敷きました。その突破口として信長が断行したのが、悪名高い延暦寺焼
アメリカ宇宙局(NASA)や軍隊で任務中の発作を予防するために膨大な予算をかけ研究が行われている尿管結石。岡山大学医学部の中尾篤典教授が、その画期的な治療法を見つけようと米国の大学が手掛けたビッグサンダーマウンテンの研究結果(2018年にイグノーベル医学賞を受賞)を紹介する――。 ※本稿は、中尾篤典・毛内拡(著)、ナゾロジー(協力)『ウソみたいな人体の話を大学の先生に解説してもらいました。』(秀和システム)の一部を再編集したものです。 おしっこにまつわる謎・尿管結石の新しすぎる治療法 少し汚い話ですが、次はおしっこと膀胱ぼうこうの話です。 尿管結石は、腎臓から膀胱までの尿が通る管の中に石ができる病気です。石が詰まることで腎臓で作られた尿が出なくなり、腎臓が腫れて大変な痛みが出ます。救急外来でよく見られるありふれた疾患で、ライフスタイルや遺伝等も影響するといわれていますが、実は未だにはっきり
【連載#私の失敗談 第8回】どんな人にも失敗はある。ヤフーやLINE、PayPayなどの企業を傘下に抱えるZホールディングス(ZHD)会長の川邊健太郎さんは「Yahoo!メッセンジャーがあったにもかかわらず、スマホ時代に対応できなかった。変わらないことがヤフーの致命的な失敗の一つになった。それは『デジタル後進国』と呼ばれる日本にも当てはまる」という――。(聞き手・構成=ノンフィクション作家・樽谷哲也) 必要な失敗を経験した人から成功に近づいていく 私自身の失敗は嫌というほどあります。そもそも、経営者が「失敗」から得ていく教訓には大きく2つあると思っています。 何か新たなチャレンジのために行動していくうえで、失敗というのは付きものでしょう。むしろ、失敗がなければ、うまくいくようにもならないのではないかと思っています。ですから、一つの結論として現在の私が思うのは、必要な失敗を経験した人から成功
海や川で流されてしまった時にはどうしたらいいのか。小学校などでは「大の字背浮き」の姿勢で救助を待つよう教えられることが多いが、日本水難救済会では、背浮きは難しく、特に海では危険だとして「イカ泳ぎ」を推薦している――。 「背浮きはムリ」の動画が一気に拡散 日本水難救済会の公式X(旧Twitter)の投稿が大きな話題を呼んでいる。海や川などで万が一流されたときには、浮いた状態で救助を待つのが基本とされているが、多くの小学校で教えられている「大の字背浮き」では1分も浮いていられない――。そのことを、同会の常務理事で、元海上保安学校長の江口圭三さんが自ら実証実験した動画つきで伝えるものだった。 今回、当会常務理事(元・海上保安大学校水泳教官)が波静か(波高5cm)な海で、「大の字背浮き」を試みましたが、わずかな波が顔を洗い、浮いていることができませんでした。やはり、この手法は海では危険です! pi
日本新聞協会の理解しがたい主張 NHK(日本放送協会)の今後を巡る公共放送ワーキンググループ(総務省)での議論も大詰めに差し掛かってきております。 ここにきて、経営的に厳しくなっている地方紙を中心に反NHKの機運が高まり、なぜか日本新聞協会(メディア開発委員会)が「自由民主党のヒアリングに応じる」という形で永田町に突撃。NHKのネット対応について、NHKニュースなどのテキスト配信に対して民業圧迫であるという趣旨のロビー活動を堂々と行い、何してんのという感じになります。 一連の、NHKネット必須業務化に反対する論陣を張る日本新聞協会の論点は「NHKが無料でニュース配信をネットでやると、地方紙の言論の多様化が失われる」などという、サンドウィッチマン富澤たけしが「ちょっとなに言ってるんだか分かんない」というレベルの内容で、新聞協会に関わる人の知性が疑われる事案になっているのが気になるところです。
「脳の迷信」を広めている研究者の責任 脳の迷信には、3歳児神話のように、研究とはまったく無関係の有名人が唱えたことで世間に広がったものもあるが、ほとんどの場合、脳科学の研究成果が多かれ少なかれ関わっている。つまり、迷信の誕生と広がりに対して、研究者も決して無縁ではない。 データの捏造ねつぞうや改変は論外であるが、たとえ真面目な研究から得た成果であっても、それをわかりやすく伝えるため、あえて簡略化、あるいは誇張して公表することで、まちがった内容で広まることがある。また、きわめて不十分なデータから大胆な結論を出したり、単なる推測や仮説をあたかも事実であるかのように断言することで広まることもある。 その背景には、常にわかりやすい解説を求めるマスメディアの存在があるが、それに迎合して迷信を広めている研究者にも大きな責任がある。
安定した状況でも潰れる社員はいる こんにちは。産業医の武神です。新型コロナ感染症も法律上はインフルエンザと同じ扱いとなり、私のクライエントでは在宅勤務、出社勤務、ハイブリッド勤務など、それぞれの働き方で落ち着いてきている社員がほとんどだと感じています。 このような安定している状況でも、急に潰れてしまう社員は必ずいます。今日は、そんなもうすぐ潰れる社員によくある特徴について、私の産業医面談から得られた3つのパターンからご紹介したいと思います。 「体力回復のため」週末の外出をやめたAさん 1つめは、週末に1日は外出していた人が、両日とも家で休養するようになったときです。 Aさんは20代後半の一人暮らしの男性社員でした。週末は、土曜日は友人たちとフットサルやドライブ、登山など外で遊び、日曜日は掃除や洗濯物、勉強や食べ物の作り置きなど家で体を休めながらゆっくり過ごすことをルーチンとして過ごしていま
被害者たちは、外出先でiPhoneを盗まれ、わずか数分後にはアカウントから閉め出される。次いで自宅のMacはログインができなくなり、24時間以内に数百万円という預金が口座から消える――。そんな事例をウォール・ストリート・ジャーナル紙が報じている。 被害のきっかけは、iPhoneの4桁または6桁の簡易的なパスコードを盗み見られたことだ。これによって、より強力なパスワードを設定したはずのApple IDのセキュリティが同時に無力化されてしまった。 同紙が今年2月に「脆弱性」として報じ、さまざまなテックメディアで取り上げられ大きな反響を呼んでいる。Appleは現時点で対策措置を発表していない。 被害はiPhoneからほかのApple製品に広がる… これはiPhoneの6桁のパスコードさえわかれば、Apple IDのアカウントを丸ごと乗っ取れる状態であることを意味する。 Apple IDとは、多く
愛知県小牧市内、当時30代後半の日本人女性を無免許運転の上でひき逃げして逃走し重傷を負わせたボドイ(技能実習先から逃亡したベトナム人)の自宅を訪ね、同居人たちからの聞き込み後に記念撮影をした筆者。 「在日中国人」は成熟しすぎた ――安田さんといえば、大宅壮一ノンフィクション大賞を受賞した『八九六四 「天安門事件」は再び起きるか』(KADOKAWA)や『性と欲望の中国』(文藝春秋)など、中国ライターの印象が強いですが、最近は在日ベトナム人をよく取材されていますね。 【安田峰俊】もともと2014年あたりから在日ベトナム人には目配りしていましたが、大きな要因はやはりコロナです。2017年に習近平第二期政権が成立してから、中国本土で政治的な社会問題に触れる取材をすることがいっそう難しくなりました。ただ、中国本土に行かずとも、香港なり台湾なり、もしくはアフリカなど海外の華人社会をウロウロしていれば全
経産省は「隠れた優良企業」を公表している 「モンスター企業に入りたくない」と話す相談者さんが、次のような本音を教えてくれました。 穏やかに働きたい。顧客を騙したくない。社員同士で足を引っ張り合いたくない。 悲しい現実ですが、会社の業績が良くないと、職場がギスギスする、嘘をついてでも利益をあげる、同僚を出し抜いてでも顧客を奪う――こんなことが起こりやすくなります。「もう、疲れた」「これ以上、自分を嫌いになりたくない」と切実な声をあげる転職相談者は多いのです。 当たり前のことを当たり前に大切にできる企業に転職したい。でも、どうすれば見つかるのか。 モンスター企業の避け方では厚労省を頼りましたが、今度は経産省の力を借りましょう。「隠れた優良企業」が見つかります。 経産省は平成26年、令和2年に「グローバルニッチトップ企業100選(GNT企業100選)」を公表しています。 「ニッチ」とは、参入して
早起きを習慣化するにはどうすればいいか。スリープコーチの角谷リョウさんは「早起きのために『早く寝る』ことは人間の性質として難しい。それより早く起きるために30分ずつ起床時間をずらしていくことだ」という――。 ※本稿は、角谷リョウ『働くあなたの快眠地図』(フォレスト出版)の一部を再編集したものです。 読書したくても、夜の時間は動画やゲームが中心になりがち 今ではビジネスパーソンのみなさんも、学生時代に楽しいことをやろうと思ったら、活動時間は夜間あるいは深夜が定番だったのではないでしょうか? 高校時代は部屋で隠れてこっそりと、大学時代は深夜までみんなと遊んだりしたことでしょう。同様にビジネスパーソンのほとんどの方は、自分の楽しみや好きなことを夜にされています。 私はよく「なぜその楽しみは夜にされているのですか?」と尋ねるのですが、ほとんどの方が「夜しか自由な時間がないから」と答えます。 さらに
30年以上も少子化対策をやっているのに効果なし 年明けに岸田首相が「異次元の少子化対策をやる」とぶち上げて以降、議論が沸騰している。首相だけでなく、与党幹部が発言するたびに、そのズレっぷりが子育て世代や若い世代の怒りを買っている。 出生率が大きな議論になり始めたのは1989年に1.57になってからだ。当時は1.57ショックという言葉まで生まれ、1992年に出された「国民生活白書」のタイトルが「少子社会の到来〜その影響と対策」と名付けられて以降、少子化という言葉は広がった。 だが、それから30年余り。数々の少子化対策と銘打った政策が手を変え品を変え試されてきたが、効果を上げているとは言えない。 30年にわたり少子化問題を研究してきた中央大学の山田昌弘教授は著書『日本の少子化対策はなぜ失敗したのか? 結婚・出産が回避される本当の理由』(光文社新書)の中で、欧米の研究者やジャーナリストからよく、
藻類バイオマスエネルギー研究を続ける(一社)藻類産業創成コンソーシアム理事長で筑波大学共同研究フェローの渡邉信(わたなべ・まこと)さんのプロジェクトに国の予算がついた。10年ほど前、「日本を産油国にする」と言って顰蹙を買った渡邉さん。しかし、時代はその発言を追うかのように、新エネルギーに向かって大きく舵を切り出した――。 下水を使った藻を繁殖させ原油をつくる 筑波大学教授時代から渡邉信さんが研究を進める藻類バイオマスエネルギーは、下水処理場を使って藻を繁殖させ、濃縮し、原油化するという画期的なプロジェクトだ。下水処理では、有機物や窒素、リンを取り除くために膨大なエネルギーを必要とする。 その一連の処理を藻が行い、その藻を使って原油を生むというのが渡邉さんのめざす着地点だ。日本全国の下水処理場がその舞台である。 プロジェクトは、苦しみをともないながらも着々と進んでいる。 前回のインタビュー(
新しいNISAは恒久化・無期限化・投資枠増額・併用可 2022年12月16日に2023年度(令和5年度)税制改正大綱が発表されました。「NISA拡充」「贈与税の課税方法見直し」「贈与の特例延長」など個人に影響の大きい制度改正案が記載されています。中でも圧倒的に注目度が高いのが「NISA拡充」です。 今回はNISA改正概要の解説と新しいNISAの活用方法を一緒に考えていきます。 投資の利益にかかる税金が非課税になるNISAは、2024年から大きく変わります。新しいNISA制度は、現行のつみたてNISAと一般NISAを合わせた制度になっているので、本記事では「統合NISA」と呼びたいと思います。 NISA改正でどう変わる? まず、現行のつみたてNISA・一般NISAの買い付けは、2023年末で終了します。ただし、現行NISAの非課税期間は無期限にはなりませんでした。現行NISAで保有していた資
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