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ブックマーク / tumada.medium.com (13)

  • 「情熱に従う」よりも「情熱を従える」ことの難しさと、それを乗り越えるためのプラクティス

    2005年のスタンフォード大学の卒業スピーチで、スティーブ・ジョブスは仕事について「たまらなく好きなことを探そう (You’ve got to find what you… 一方、「やりたいことが見つからないのですが、どうすればいいですか?」という質問に対して、「情熱を探そう」以外によくある答えの一つが「情熱に従え (Follow your passion)」というものです。 しばしばこの「情熱に従え」といったアドバイスをしている大人を見かけます。たとえば Dropbox のドリュー・ハウストンも MIT の卒業スピーチで、犬が追いかけてしまうテニスボールを情熱に例えて「自分のテニスボールを見つけよう」と述べています。 前回の記事でも参照した The Passion Paradox で紹介されている、こんな CEO も情熱をとても重視していたそうです。 彼は数兆円の時価総額の会社を経営し、

    「情熱に従う」よりも「情熱を従える」ことの難しさと、それを乗り越えるためのプラクティス
  • 科学技術イノベーションと社会実装イノベーション

    林先生の「AIブームは物か?-米国の場合、日の場合-」というレポートが、はてなブックマークで上がってきていました。 そのレポートの最後には、「イノベーション」という言葉の誤解について触れている文があります。 ・日は、いまだに、イノベーションとは、「素晴らしい技術を世界で最初に見つけること」だと誤解している。 ・イノベーションのほんとうの意味は、「技術を用いて世界を変えていくこと」。その技術が、電気自動車のような古い技術であるかどうかは、関係がない。 http://www.shayashi.jp/20161115tokyoVer20161116.pdf より。強調部は引用者によるもの。シュンペーターによる5つの類型に立ち戻れば、技術的なもの以外もイノベーションとして挙げられています。 こうした誤解の原因は「イノベーションが技術革新と訳されてしまったのが原因」という指摘が幾度もなされてお

    科学技術イノベーションと社会実装イノベーション
  • 『技術力』を分解する

    の製造業の敗因に関するを少し集中的に読んでいました。その中で気になったのが「技術力」という言葉です。 「人間力」という曖昧な言葉が嫌いな人は多いと思いますが、その割に「技術力」「科学力」という言葉はそういう方々もたまに使われているように感じています。たとえば Nature の特集を受けて、日経新聞で「日の科学力がこの10年で失速」という記事が出ていますが、そこでは自然と科学力という単語が使われています。同様に数々の書籍で「技術力」という単語が多数使われていました。 では実際、技術力という言葉はどのような意味で用いられているのでしょうか。 たとえば、 「日技術力では負けていないがビジネスで負けた。例えば鴻海がシャープの最先端の液晶パネルに出資したのが技術力がある証拠」(大意)という議論もあれば、 「企業はビジネスで勝つために技術開発をしているのであり、技術で云々は負け惜しみに過ぎ

    『技術力』を分解する
  • 「全社員に本を配る」という企業文化

    全社員(あるいは部門の全体)にとある書籍を配る企業の話をいくつか聞いたことがあります。 1990 年台後半、Microsoft では「イノベーションのジレンマ」がかなりの数の社員に配られた、という話を聞いたことがあります。また Square と TwitterCEO である Jack Dorsey は The Checklist Manifesto を全新入社員に配っていた時期があるそうです。私も前職時代、Made to Stick が配られて読みました。 https://www.instagram.com/p/C4FfF/?taken-by=jack (コメントについてについて白色で塗りつぶしました)個人的にが好きだというのもありますが、社内に同じを配る、というのは中々良い教育投資なのでは思っています。というのも、一人の意識が変わってもなかなか組織は変わりません。かといってトレ

    「全社員に本を配る」という企業文化
  • スタートアップはモメンタムによって生き延びる

    “Startup survives on momentum” (スタートアップはモメンタムによって生き延びる) とは Y Combinator の Sam Altman による、MIT の講演での発言です(日語版要約)。ここでのモメンタムは「勢い」と訳せるでしょうか。 Sam は Y Combinator で数百ものスタートアップを観てきた経験則として、繰り返しモメンタムの重要性に触れています。たとえば、 「モメンタムと成長はスタートアップの生命源だ」「自分がスタートアップに伝える数少ない命令のうちの一つは、絶対に会社のモメンタムを失うな、ということ」「進捗(新機能、顧客、売上のマイルストン、パートナーシップ等)をドラムビートのように刻み続けろ」「成長とモメンタムが優れた実行の鍵だ」などです。特に Stanford の授業で使っていた下記の一枚は象徴的です。 http://startup

    スタートアップはモメンタムによって生き延びる
  • 成功するスタートアップは一夜にして成功する。ただし、

    「その一夜というのは大抵の場合 1,000 日目から 3,500 日目の間のどこかに起こる」と続きます。これは Startup L. Jackson の言葉です。つまり、たった一夜で成功することはあるが、そこに至るまでには長い時間がかかるということです。 もちろん Instagram のようにローンチ一日目で 25,000、一週間で 100,000 登録を獲得するサービスもあります。Y Combinator のThe Process が示すように、ローンチ後に TechCrunch に取り上げられて一晩だけ注目を集めることに成功することもあるでしょう。 http://www.slideshare.net/takaumada/throw-away-your-marketing-rally-in-the-sales-and-customer-supportしかし多くの会社やサービスや発明は「悲

    成功するスタートアップは一夜にして成功する。ただし、
  • 仕事と幸福度の研究

    たまたまですが今日、仕事と幸福に関しての記事をいくつか拝見しました。折角の機会なので、幸福に関する研究について、2013 年に友人向けにまとめた資料の一部を抜粋して公開します。もしかしたら最新研究だと他にもいろいろ違った新しい発見があるかもしれません。

    仕事と幸福度の研究
  • 「冷静に考えてスタートアップを始めたほうが得」な理由と、その流通の必要性

    起業を他人に勧めるとき、「世界を変えよう」「世界一になろう」「好きなことで生きていこう」「破壊しよう」「リスクを取れ」といったような意気盛んなレトリックを使われることも多いように見えます。 こうした言説が流通するのは創業者自身にリスクを取った自己を肯定するバイアスがかかるせいかもしれません。あるいはスタートアップという選択肢に気づいてもらうためのポジショントークなのかもしれないので、そうしたキャッチーな言説にも必要性はあると認識しています。 ただ、個人的にはそうした精神論は苦手なことが多いです。また、話す相手によっては「意識が高い」と受け止められて、こうした精神論による説得が有効ではないどころか悪影響を与える場合も多いと感じています。 なので、そういう人たちのためにも、精神論だけではない「スタートアップを始める”合理的な”理由」がもっと流通しても良いのではないかと思います。そうすることでこ

    「冷静に考えてスタートアップを始めたほうが得」な理由と、その流通の必要性
  • GitHub のプロジェクトなどから学ぶ、サイドプロジェクト成功のパターン

    ビジネス上のプロジェクトの成功法則やマネジメント方法は様々な形で語られています。一方で、主に余暇の時間で行われる技術的なサイドプロジェクト(ソフトウェア、ハードウェア含む)に成功パターンはあるのでしょうか。 最近では定量的なプロジェクトの分析を行うために GitHubプロジェクトのデータを使おうとしている動きがあります。もちろん GitHub を使った研究はあくまでソーシャルコーディングのプロジェクトをスコープとするものですし、一部は因果関係というよりも相関関係でしかありませんが、知見として活用できる部分もあると思うので、GitHub の研究や私個人の経験を通して見てきたサイドプロジェクトの成功パターンをまとめてみたいと思います。 以下では大きく 3 つに分けて解説します。 チームアイデアとテーマプロセス 1. チーム最初に残念なお知らせです。どうやらプロジェクト内部の仕事の多くは少人

    GitHub のプロジェクトなどから学ぶ、サイドプロジェクト成功のパターン
  • 「起業したいときに 1,000 万円集まる」状況を作れるかどうかをサイドプロジェクトの成功基準としても良いのでは

    様々なスタートアップやサービスが、業ではない「サイドプロジェクト」から生まれています。 たとえば Twitter や Instagram、GitHub や Craigslist などはサイドプロジェクトから生まれたスタートアップです。また SlackFlickr も、ゲームを作ろうとしていた Stewart Butterfield たちのある種のサイドプロジェクトから生まれたと言えるかもしれません。Gmail や AdSenseGoogle 社内の 20% ルールの中で生まれたサイドプロジェクトとして有名です。そもそも Google 自体や Yahoo!、Facebook なども、学生の業である学業のサイドプロジェクトとして生まれたと言えるのではないでしょうか。 そして Paul Graham も Stanford 大学の講義の中で、「最良のスタートアップは、サイドプロジェ

    「起業したいときに 1,000 万円集まる」状況を作れるかどうかをサイドプロジェクトの成功基準としても良いのでは
  • 次のスタートアップのパーティー会場を探して:「社会に良い影響を与えれば儲かる」という流れと”社会的インパクト投資”

    「シリコンバレーのパーティーは終わった」と聞くことが年末年始にかけて増えました。私も「Winter is Coming」に備えてメトリクスと利益に関するスライドを 1 月 4 日に出しましたが、その後次々とシリコンバレーのスタートアップのレイオフのニュースを聞くようになっており、まさに冬の到来を感じています。 しかし一方で 2016 年に入っても大型のファンドが次々に組成されています。例えばここ一ヶ月だけでも Andressen Horowitz は約 1,700 億円、Peter Thiel 率いる Founders Fund は約 1,500 億円、老舗 Accel Partners は約 2,300 億円のファンドを組成したというニュースがありました。 また日国内でも VC や CVC、大学などから新しいファンド組成のニュースが毎週のように飛び込んできます。 ファンドを作った以上、

    次のスタートアップのパーティー会場を探して:「社会に良い影響を与えれば儲かる」という流れと”社会的インパクト投資”
  • スタートアップの時代の終わり(そしてプロジェクトの時代)

    2016 年 2 月は「スタートアップの時代の終わり」という話題がよく取り上げられた月でした。以下にその論考の一部をまとめてみます。 大企業がスタートアップの手法やツールを身に着け始めており、disrupt されにくくなってきている(The Information: The End of Tech Startups)スタートアップを始めるのは安く簡単になったが、スケールするための競争は激しくなっていおり、インターネット業界が成熟するに連れてスタートアップの入り込む余地が少なくなってきている(自動車業界のように)(Ev Williams)ビジネスのスピードが上がっていて、スタートアップ自体が破壊 (disrupt) されるスピードも早くなっている(Marc Andreessen)スマートフォンが全く新しい巨大なマーケットを多く作ったが、ほとんどのマーケットは既に独占され、良き時代は終わった(

    スタートアップの時代の終わり(そしてプロジェクトの時代)
  • 狂ったアイデアは、「今はまだ名状しがたい」狂った問題から始まる

    急成長するスタートアップに必要なアイデアを「狂ったアイデア」や「おもちゃのようなもの」、あるいは「ほとんど誰もがあなたに同意しないような、重要な真実」というふうに以前まとめさせていただきました。 ただ狂ったアイデアという言葉は、ついつい「狂った解決策」に意識を向けてしまいがちです。でも恐らく来そうではなく、「狂った問題」を見つけるべきなのだろうなと思います。そこで今回は「狂った問題」、言い換えると「今はまだ誰も問題だと気づいていないこと」「今はまだ考えづらいことを考えること」についてお話させていただきたいと思います。 まず最初に:狂ったアイデアとはスタートアップが目指すべきなのは「狂ったアイデア」だと言われています。これはなぜかというと、「単に正しいアイデア」は多くの場合大企業が進出可能で、その領域でスタートアップが勝利をおさめることが難しいからです。 Finding Billion D

    狂ったアイデアは、「今はまだ名状しがたい」狂った問題から始まる
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