殿さまが見たリアルをスケッチした「博物図譜」 日本の博物学は、中国の薬学・博物学である「本草学」の影響を受けて発達し、18世紀には「博物趣味」に熱中する大名が多く現れました。その先駆けの一人が熊本藩6代藩主の細川重賢しげかた(1720~85年)です。 重賢は藩政において名君と称えられる一方、参勤交代の途中で植物採集にいそしむなど、博物学に没頭した一面もありました。重賢は採集・飼育した動植物をカラーで写生させ、情報をメモしました。驚くほど細かく描き込まれたスケッチやメモからは、重賢の情熱と好奇心を感じとれるのみならず、絶滅したニホンオオカミの胴や顔、足の長さの記録など、貴重な史料となっています。 竹原玄路筆、谷口鶏口賛「細川重賢像」江戸時代(18世紀)永青文庫蔵 迫真の描写の「毛介綺煥もうかいきかん」全場面を一挙に展示 「毛介綺煥もうかいきかん」 哺乳類や爬虫類、魚類などの様々な動物が、名称