古澤 春紀(東邦大学大学院理学研究科環境科学専攻 2021年度卒) 脇 司(東邦大学理学部生命圏環境科学科 准教授) 池澤 広美(ミュージアムパーク茨城県自然博物館 資料課 課長・学芸員) 辻本 翔平(国立環境研究所 気候変動適応センター 特別研究員) 関 まどか(岩手大学農学部共同獣医学科 准教授) 鶏盲腸吸虫Postharmostomum commutatumは、キジ、ヤマドリなどキジ科鳥類につく寄生虫で、カタツムリの仲間を感染源とします。国内でヒトへの寄生報告は見当たりません。この吸虫は日本国内に古くからいたものの、採集例は少なく、野外で細々と生きてきた寄生虫と考えられます。 コハクオナジマイマイは、西日本に自然分布するカタツムリですが、1990年頃から関東に侵入し、爆発的に個体数を増やした国内外来種(注1)です。研究グループが、関東に侵入したコハクオナジマイマイの寄生虫を調べたとこ