浅瀬の海に生きる、絶滅危惧種の植物「ウミショウブ」。この植物を守るためにはどうすればよいのだろうか? ウミショウブの数を減らしているのは、やはり絶滅危惧種の「アオウミガメ」というのは、なんとも皮肉な現実だ。 あちらを立てればこちらが立たず。自然保護は難しい。それでも、何が起こっているかを知ろう、そして一緒に考えよう。山の花ではないが、海の花についても、ぜひ知ってもらいたい。 野生生物の宝庫である西表島で、ある貴重な植物に大きな異変が起こっている。西表島の海岸近くの砂地に生えていた絶滅危惧種のウミショウブが年々激減しているのだ。 ウミショウブはトチカガミ科の「海草」である。「海藻」ではなく、淡水中に生える「水草」に近い、花を咲かせる水生の植物である。海水中の太陽の光がサンサンと当たる浅い砂地に生え、いわゆる「アマモ場」「海草藻場」などと呼ばれる群落を作る。 ウミショウブがなによりも変わってい