仕事帰りに期日前投票。 女に参政権はいらない。 もちろん男にも。 と、喝破したのは山本夏彦翁である。 女に参政権はいらないと言えば、さぞかしお怒りだろうが待ってくれ、男にもいらない。制限選挙でたくさんだ。 ガリバー旅行記のスイフトは、女は男をたぶらかすのが仕事だといえば語弊があるなら、魅してとりこにするのが仕事で、ほかの事など念頭にない。フランス婦人も第二次大戦後選挙権を貰ってくれと言われたのに断った。まあそう仰有らずにと再三言われてしぶしぶ貰った。 お忘れだろうが昔は直接国税十五円納めなければ選挙権はなかった。制限選挙である。税と関係なく選挙権は万人にあるべきだと大正デモクラシーは執拗に主張して、大正十四年ようやく普通選挙は通った。ただし男だけで女のことはきれいに忘れていた。文句を言う女は市川房枝くらいで、あれは女の仲間ではないと、ほかでもない女が思ってた。 制限選挙なら選挙民は三十万人