かつてない多死社会を迎えている日本で、葬送はどう変わっていくのか。2月14日、東京・増上寺でシンポジウム「多死社会と葬送」が行われた。 新刊『骸骨考』を出版するなど、遺骨や葬送に関しての造詣の深い養老孟司さん、浄土宗の僧侶でホームレス支援団体の事務局長を務める吉水岳彦さん、そして著者の鵜飼秀徳が名和清隆さんの司会のもと、葬式について、墓について、寺について語った。 司会(名和清隆さん):本日は「多死社会で変わる日本の仏教、葬送を語る」というテーマでお三方に語っていただきます。現在、日本はすでに死者数が出生数を上回る多死社会に入っているということですね。 鵜飼秀徳(以下、鵜飼):そうです。2015年で約130万人の人が亡くなっています。これが2030年には約160万人。鹿児島県の人口と同じぐらいの数の人が1年間に亡くなっていくわけです。これは2040年まで増加します。 司会:多くの死は現場に