この夏、英語教育関係者の注目を集めたと思われる本が2冊あります。1冊が『英語教育、迫り来る破綻』(大津 由紀雄・江利川 春雄・斎藤 兆史・鳥飼 玖美子著、ひつじ書房)であり、もう1冊が『英語教育村の真実―世界一の英語好き、世界一の英語下手の日本人はこうして生まれる』(佐藤誠司著・南雲堂)です。前者は英語教育界の著名人たちが著わした教育再生会議を中心とした政界・財界からの要望に異を唱えた本です。後者は英語教育関連本を手がけてきた著者による英語教育界に対する批判本です。全く趣旨の違う本なのですが、私にはこの2冊には奇妙に似通ったところがあると感じました。いったいどこが共通しているというのでしょうか? 前者については、私はここで新たに詳しい書評を書き起こすつもりはありません。その理由は「オレ流教育論」というブログで突っ込んだ批評がなされているからです。 http://oreryutsj.hate