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ブックマーク / incognita.exblog.jp (3)

  • terra incognita : 野家啓一『パラダイムとは何か』/トーマス・クーンの科学観

    人生リハビリ日記。私が最近読んでいた野家啓一『パラダイムとは何か ─ クーンの科学史革命』(講談社学術文庫、2008年)は、以前講談社からハードカバーで出ていた、20世紀の哲学者・思想家を一人一冊で紹介していく「現代思想の冒険者」シリーズのうち、アメリカの科学哲学者トーマス・クーンを扱った一冊をタイトル変更の上で文庫化したものです。 文庫化するに当たってのタイトルが変更されたもっとも大きな理由は、著者の野家氏がこのの意義をクーンの伝記的著述という側面に置いていなかったという点にあるようです。 ……書を通じて私は自分自身が格闘してきた20世紀の科学史・科学哲学の肖像を描き出したいと考えている。そのため書が目指すのは、トーマス・クーン個人の評伝ではなく、クーンの出現によって大きな展開をとげた20世紀の科学史・科学哲学そのものの評伝にほかならない。 その理由の第一は、クーンはその急

  • terra incognita : ホイジンガ『中世の秋』/ポアンカレ『科学の価値』

  • terra incognita : 舌禍法王!?

    人生リハビリ日記。2006年9月にドイツのレーゲンスブルク大学でローマ法王ベネディクト16世が行なった講演の中で、14世紀末のビザンティン皇帝(マヌエル二世パライオロゴス)がイスラムの非理性的・暴力的性格を非難した言葉が肯定的に引用されていたとして、イスラム圏から激しい批判がベネディクト16世に向けられたことがありました。  この時の講演の内容はWEB上で公開されており、日でもカトリック中央協議会のサイトが他の法王演説と同じように全文訳を掲載しています(「教皇ベネディクト十六世のレーゲンスブルク大学での講演」)。実際に読んでみると、確かに文脈上はビザンティン皇帝のイスラムに対する価値判断を自らの論旨に取り込んでいるわけではないのですが、引用そのものがかなり誤解を受けやすい形にはなっています。  そして今度は別のところで、「また法王の舌禍事件か?」と思ってしまうような話題が持ち上がりました

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