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ブックマーク / hyakkenn09.hatenablog.com (2)

  • みんな「手なし娘」を読むといい 河合隼雄『昔話と日本人の心』 - とらおの読書日記

    昔話と日人の心 (岩波現代文庫 学術 71) 作者:河合 隼雄岩波書店Amazon『昔話と日人の心』は、河合隼雄の数多い著作の中でもとくに名著として名高い。河合は、西洋の近代的自我の成立過程を解き明かしたユング派分析家エーリッヒ・ノイマンの『意識の起源史』における方法論を援用しながら、日の昔話を分析することで、日人のアイデンティティの探ろうとしている。ただし、河合はノイマンの方法論をそのまま日の昔話分析にあてはめるわけではなく、独自の方法を見出すことも書の狙いであるとする。まず、西洋における自我は神話や昔話の英雄に象徴されるように男性像によって表されるが、それに対して河合は日人の自我は女性像で示すのが適切であるという。また、印象的なのは、「抽象的な議論よりも、ともかく昔話のもつ直接的な衝撃力に触れることの方が、説得力が第である」(第1章)という河合隼雄の昔話に対する姿勢である

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  • 無時間からビルドゥングスへ 中勘助『銀の匙』 - とらおの読書日記

    銀の匙 (岩波文庫) 作者:中 勘助岩波書店Amazon『銀の匙』というと、荒川弘の漫画(吉田恵輔監督の実写版よかった!)を思い浮かべる人も多いと思うけど、書の作者は中勘助。前篇が明治44年、後篇が大正2年に書かれた。幼年期から17歳までのさまざまな出来事が作者独自の視点で描かれている。夏目漱石が未曾有の秀作として絶賛したという『銀の匙』について文庫解説の和辻哲郎は、「大人の見た子供の世界でもなければ、また大人の体験の内に回想せられた子供時代の記憶というごときものでもない。それはまさしく子供の体験した子供の世界である」と評している。 『銀の匙』はぼくにとって驚きに満ちた読書体験だった。それは書く「私」と書かれる対象との距離が一定でないことから生じるめまいのような感じと変拍子の曲を聴いているときのような不安定感である。 「いくじなしの私は人なかでは口がきけずなにかほしいものが目に付けば袂を

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