「日本のスポーツ界は結果が出てしまったらもうおしまい」。町田樹が募らせる危機感、スポーツアーカイブの現状とは? 元フィギュアスケーターの町田樹さんが現役時代に見せた数々の名演技は、今も色あせぬ記憶とともに胸に刻まれている。自らの演技で運命を切り拓いてきた“氷上の哲学者”は現在、スポーツ科学の研究者として日本のスポーツ界の未来を切り拓く旅路を歩んでいる。 日本スポーツ界の枢要施設が、機能不全に陥っている――。 そう危機感を募らせる町田さんが、「日本のスポーツアーカイブを取り巻く現状」を話し始めた。 (インタビュー・構成=沢田聡子、撮影=浦正弘) 町田樹がスポーツ科学の研究者として抱く危機感。「スポーツアーカイブ」とは? 7月某日、千葉県船橋市のとある倉庫に、町田樹さんの姿があった。 自身が企画・構成・出演を務めるスポーツ教養番組『町田樹のスポーツアカデミア』(J SPORTS)の収録のため、