私がまだ幼稚園に通っていた時のこと。大きく重たい、ある1台のラジカセが宝物だった時期があります。 当時は世にCDが普及し始めた頃で、新しいもの好きの姉が早速CDラジカセを手に入れたことで、お古として私の元に転がり込んで来たものでした。 このラジカセ、旧式とはいえ中々の高性能で、マイク付きで外部の音声をカセットテープに録音することが出来ました。幼い私はその機能に夢中になり、そこら中の音という音を録音して楽しんでいました。 ある時、絵本の朗読を録音してみようと思い立ちました。その題材は「三匹の子ぶた」。母が眠る前に読んでくれる絵本の中でも、とびきりお気に入りの1冊でした。 最初は母に朗読をお願いしようと思っていたのですが、どうやら夕飯の支度で忙しそう。それなら自分で読んでみようということで、絵本を片手にマイクを握り、ラジカセの録音ボタンを押したのです。 何せお気に入りの1冊のこと。話の筋はほと
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