梅に含まれる成分が胃炎や胃がんの原因となるピロリ菌の運動を抑える可能性があり、糖を体内に取り入れる酵素の働きを弱め糖尿病予防にも期待できることが、和歌山県みなべ町と近畿大、県立医大など9機関の共同研究でわかり、同町が16日、研究に関する特許を取得したことを明らかにした。研究者らは「梅干しの効能が科学的に立証された」としている。 県立医大の宇都宮洋才講師や近畿大の宮沢三雄教授らが、梅の成分でポリフェノールの一種の「シリンガレシノール」にピロリ菌の働きを阻害する効果があることを確認した。また、小腸で糖を吸収する役割の酵素「α−グルコシダーゼ」の作用を妨げ、食事後の血糖値上昇をゆるやかにする可能性も解明した。研究グループによると、梅干しを1日1個以上食べると、胃がんや糖尿病などの予防効果が見込めるという。 研究は平成13年に始まり、ピロリ菌の運動抑制については15年に、糖の吸収を抑える効果に