昨年、自身が認知症であることを公表した漫画家・タレントの蛭子能収さん。認知症と診断されてからの葛藤や、家族・マネージャーへの思い、人気コラム「ゆるゆる人生相談」傑作選などをまとめた異色の“認知症エッセイ”『認知症になった蛭子さん~介護する家族の心が「楽」になる本』が4月に発売された。 妻から見た素顔の蛭子さん、彼に起きた変化、そして介護する家族に必要な心構えとはーー。妻・悠加さんの初告白を、同書から抜粋して紹介する。 まさか認知症とは……。夫の異変に初めて気づいた夜 よっちゃんの様子がおかしい── 。そう思うようになったのは2017年のある晩のこと。隣で寝ている主人に、突然、たたかれたのです。一瞬、何があったのかわからなかったし、翌朝には本人もケロッとしていましたから、寝ぼけたのかなと。でも、今から思えば、あれが前兆でした。 後になってわかったことですが、あの晩の主人の行動は「レム期睡眠行