日本を代表する写真家・森山大道の回顧展が、英国で初めて開かれている。このタイミングは「ちょっと遅いですね」と冗談を言う森山に、英紙「ガーディアン」が取材した。 森山大道を知ろうとするのは容易なことではない。85歳になるこの日本の写真家は、東京にある自宅から私の質問に通訳を介して答えるが、個人的な質問は即座にいなす。「写真家は写真を撮ることしかできません」と肩をすくめる。 だが森山がこれまでしてきたのは、写真を撮ることだけではない。路上写真家として最もよく知られてはいるが、森山はその形式を極限まで高め、写真とは何か、どう体験されるのか、その倫理や影響とは何かを問うてきたのだ。 この50年で最も象徴的で影響力のある写真を何枚も撮った人物でもある。網タイツのクローズアップから野良犬のポートレイトまで、そうした写真は日本の戦後期の詩的で、シンボリックな表現とされている。 英ロンドンの「フォトグラフ
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