ロシアによる侵攻から逃れるため、ルーマニア国境を越えるウクライナの人々=2022年3月11日、ロイター ロシアによるウクライナ侵攻は、世界に大きな衝撃を与えている。日本総合研究所の寺島実郎会長は、経団連の日本ロシア経済委員会ウクライナ研究委員会委員長なども務め、長く世界の地政学やエネルギーの実情をウオッチしてきた。ウクライナ危機は世界史の転換点なのか。寺島さんに読み解いてもらった。【聞き手・松岡大地】 ――ロシアのウクライナ侵攻は世界に衝撃を与えました。世界はどう変わるのでしょうか。 ◆私たちは今、第一次世界大戦から約100年という世界史の大きな構造転換の入り口に立っているという認識が重要です。ロシア帝国、ドイツ帝国、オーストリア・ハンガリー二重帝国、オスマン帝国という四つの帝国が消えたのが第一世界大戦でした。9・11後の米国がアフガニスタン、イラクの失敗で後退したように、ロシアを含め「大