中学2年生のときだったと思う。担任の先生は、国語の女性の先生だった。ショートヘアというよりも「短く刈り上げた」という方がピッタリくるようなサッパリした出で立ちで、お腹を突き出すような立ち方をして、いつもベストを羽織っていた。 その先生が教壇で話したことを、20年近く経った今でも細かいところまで覚えている。国語を通して人生を豊かにすることをたくさん教えてくれた。 中でも素敵だと思ったのは「本は注文しない。出会うものだから」という言葉だ。今ほどすぐに欲しい本が買えなかった時代だったけれど書店で注文はできた。それでも、出会えるかどうかも含めて楽しむのものが本だと言っていた。不自由をあえて楽しむ気持ちに、他の大人と違う面白さを感じた。 それから、「物語の中で雨が降れば、たかが雨でも必ず意味がある。その意味を探しなさい」という言葉。小さな頃から物語を読むことが好きだったわたしは、それを聞いて宝探しの