独り暮しの中年男性が死んだ。 現場は、大規模な分譲マンション。 中の状況をほとんど知らされないまま、私は現場に出向いた。 私が到着すると、管理組合の人達(近隣住民)が何人も集まってきた。 見積を依頼してきたのは、マンションの管理人。 管理会社も管理組合(住民)も、その部屋をどうすればよいのか、ホトホト困り果てているようだった。 そのまま放置しておく訳にもいかず、かと言って何をどうすればいいのか見当もつかない。 そんなところで探し当てたのが「特殊清掃戦う男たち」、とりあえず私の出番となった訳だった。 故人は、生前から近所付き合いもなく、住民からも嫌われていた。 ゴミの出し方や騒音など、回りとの協調性に欠け住民とのトラブルも少なくなかったらしい。 故人のことを良く言う人は誰もいなかった。 「生きていても嫌われ、死んでからも嫌われる訳か・・・」 「せめて、発見が早けりゃなぁ・・・」 住民には住民