記者会見する北野病院の高橋克・歯科口腔外科主任部長(左から2人目)ら研究チーム=大阪市北区の北野病院で2024年5月2日午後2時33分、露木陽介撮影 北野病院(大阪市北区)などの研究チームは2日、世界初の「歯生え薬」の治験を京都大医学部付属病院で始めると発表した。安全性を確認した上で、生まれつき歯の数が足りない「先天性無歯症」の患者に薬剤を投与して効果を確認する。薬は2030年の発売を目指すという。 先天性無歯症の人は人口に約1%いるとみられる。特に歯が6本以上欠損している患者は遺伝性とみられ、発症率は人口の約0・1%とされる。 北野病院によると、初期段階の治験は今年9月から25年8月までで、薬剤を健常者に点滴で投与し、安全性を確認する。対象者は30~64歳の男性30人。薬の効果が発現して歯が生えてしまっても問題の無いように、奥歯が1本以上無いことを条件とする。現状、動物実験で大きな副作用