【プノンペン=松尾洋平】アジア太平洋地域で、巨大な自由貿易圏をつくる動きが加速してきた。20日に開いた東アジア首脳会議などで、各国は来年の早い時期からアジア16カ国による東アジア地域包括的経済連携(RCEP)と、日中韓自由貿易協定(FTA)の交渉を始めることで合意した。同日の日米首脳会談では、野田佳彦首相が環太平洋経済連携協定(TPP)交渉に改めて参加意欲を示した。RCEPは東南アジア諸国連合
[27日 ロイター] 米格付け会社ムーディーズ・インベスターズ・サービスは、韓国のソブリン格付けを「A1」から1段階引き上げ、「Aa3」にすると発表した。これは韓国にとって過去最高の格付けで、日本や中国と並んだ。見通しは「安定的」。 ムーディーズは格上げの理由として、良好な財政ファンダメンタルズ、高い経済回復力、銀行部門の対外ぜい弱性低下を挙げた。 ムーディーズは5カ月近く前に、韓国の格付け見通しを「安定的」から「ポジティブ」に引き上げていた。 ムーディーズは、指導部が交代した北朝鮮との関係が安定していることも格上げにつながったと指摘、「北朝鮮が中国との経済関係を強化する可能性があることは、強硬な共産主義国家(北朝鮮)が指導部交代期に崩壊するリスクが低下していることを示している」との認識を示した。 ムーディーズによる格上げを受け、韓国国債先物が序盤の安値から回復したほか、ウォン相場も下げか
(2012年8月20日付 英フィナンシャル・タイムズ紙) 中国の温家宝首相が2012年の経済成長目標を7.5%に設定すると発表した今年3月には、ほとんどのアナリストが首相は控えめすぎると感じ、世界第2位の経済大国は実際にはもっと速いペースで成長するだろうと予想していた。 確かに、中国経済はこの10年間、毎年の目標を常に上回る経済成長を遂げている。2008~09年に世界金融危機があったにもかかわらず、ここ10年間の経済成長率の平均値は11%近くに達している。ところが、ここ数カ月は経済活動が予想を大幅に上回る沈静化を見せており、7.5%という目標が野心的なものに見え始めている。 利下げ後も止まらない景気減速 大方のエコノミストはまだ、中国は緩やかで手に負える範囲の「ソフトランディング(軟着陸)」の真っ只中にあると考えているが、もっと厳しい状況に陥るのではないかと心配する声も一部で上がり始めてい
7月30日、BNPパリバ証券の河野龍太郎氏は、高度成長から中成長への移行期にある中国にとって日本は「教訓の宝庫」であると指摘する。提供写真(2012年 ロイター)。 [東京 30日 ロイター] 経済規模の大きな隣国がさらに豊かになっていくことは、基本的に日本に対して相当大きなメリットをもたらす。今後、中国で高所得者層が増えてくると、日本で作られる高品位の財・サービスへの需要が高まり、過去10年よりも今後10年の方がメリットは大きくなるだろう。 ただ、発展段階では様々な不均衡が生じるため、日本もその影響を被ることになる。マクロ安定化政策や中長期の通貨戦略、成長戦略を策定する際、これまで以上に中国経済の動向を意識せざるを得なくなるだろう。今回は、高成長を続ける巨大な隣国に対して、日本がどう対応していくべきかを考えてみたい。
(冒頭VTR) 【日本企業イメージ】 2011年の日本のアジアへの直接投資は、前の年より60パーセント以上増え、 3兆円を超えるものとなりました。 【アジア開発銀行ナグ事務総長】 「日本にはアジア経済をけん引していってもらいたい」 【バンコク市街俯瞰するナグ氏】 日本企業の進出が加速する中、アジアはいつまで今の成長を維持できるのか。 そして少子高齢化の日本はアジアの成長パワーをどのようにとりこんでゆけるのか。 アジア開発銀行の専門家に聞きました。 「アジア経済の行方」 アジア経済は成長していると言われていますが、実際はどうなんでしょうか? (広瀬A1) 最近、「成長の鈍化」という言い方がされることが増えてきました。 中国の四半期の経済成長率がおよそ3年ぶりに8%を割り込みましたし、 インドも減速傾向が数字にはっきりとあらわれてきています。 こちらは、アジア開発銀行
中国では1992年春に行われた鄧小平の南巡講話を受けて、「社会主義市場経済」の構築が経済体制改革の目標として定められてから20年が経った。江沢民の時代である前半の10年と比べて、胡錦涛政権になってからの後半の10年では、一部の分野において「国進民退」(国有企業のシェアの上昇、民営企業のシェアの低下)という現象が顕著になっているなど、市場経済化のテンポは鈍っている。このままでは、高成長が持続できなくなるという懸念が高まっており、内外から市場経済化を中心とする改革の加速を求める声が上がっている。 改革開放以来、経済学者の長老格で市場経済の旗手として活躍し続けてきた国務院発展研究センターの呉敬璉教授は、鄧小平の南巡講話20周年を機に、多くのメディアに登場し、市場経済化改革の深化の必要性を訴えている。彼の主な主張は次のようにまとめられる(インタビュー記事「中国は歴史の新十字路に立たされている」、『
日本がTPPへの交渉参加に向けて関係国と協議するとの方針をAPECの場で表明したことを契機として、TPPに対する中国の警戒感が強まっていると内外で伝えられている。本件については、すでに5月26日の本コラム「中国は日本のTPPへの関心をどう見ているか」で、中国はTPPを米国の「戻ってきたアジア太平洋戦略」と見ている旨指摘した。APEC会議前後の中国メディア、中国の研究者等の本件の取り上げ方を見ると、こうした見方に基本的に大きな変化はないが、中国国内でも様々な意見が出てきているようにも見受けられるので、現時点で整理しておくことが有益と思われる。 11月14日付中国広播網は、社会科学院世界経済政治研究所研究員の分析を引用しつつ、米国の「APECを骨抜きにし(打架)、中国に圧力をかけようとする(打圧)意図は実現できるのか?」として、米国が中国をTPPに招き入れる意図があるかどうかは重要でない、中国
それが最近では、特に投資リターンを追及するバイサイド(機関投資家)の側では、「China(中国)」と「Asia Ex-China(中国以外のアジア、含日本)という区分が、かなり増えて来ているように感じます。かつての日本とアジアの立場の違いを知っている日本の金融関係者にとっては、かなり衝撃的な変化ではないかと思いますが、残念ながら、そうした時代は、既に過去のものになってしまったのかもしれません。 そのトレンドを裏付けるように、かつて「アジアの中の西洋」として重宝されていた香港は、日本以外のアジアの中心という立場から、中国はもちろんのこと、アジアの一部となった日本も含めた、アジア全体の金融センターという立場を、一層強めている気がします。 それだけ欧米から投資先として注目が高まっている中国ですが、最近では、それに伴うリスクについても、大いに注目が高まっているとように感じます。今回はそんな話につい
(英エコノミスト誌 2011年4月16日号) 中国の中央銀行と一緒にウインドーショッピング 中国の外貨準備高は昨年末までに、2兆8500億ドルに達していた。中国は今年第1四半期に珍しく貿易赤字を出したものの、中国の中央銀行は4月14日、3月末時点の外貨準備高が3兆ドルを突破したという最新の数字を示した。 中国の中銀は大金を持っているが、想像力はあまり持ち合わせていない。外貨準備の大半を面白みのない米国債で保有している。これはドル資金が戻ってくることを当てにできることを意味している。 だが中銀は、もし米国がインフレや通貨切り下げに屈するようなことがあれば、そうしたドルの価値がどうなるのかと心配している。 ユーロ圏周縁国の国債、米国優良企業、マンハッタン島・・・ では中国は、このカネでほかにどんなことができるだろうか? ドルの代わりに、ユーロを好むようになるかもしれない(図参照)。 中国はスペ
インドやタイで代理出産を望む日本人の不妊夫婦が急増し、2008年以降、少なくとも30組が依頼、10人以上の赤ちゃんが誕生していることがわかった。米国より安く済み、日本人向け業者がこの1、2年に相次いで、あっせんを始めた影響が大きい。 一方で、代理母は貧しく、妊娠中は集団生活を求められる例が多く、倫理面から批判もある。インド、タイ両国政府は、代理出産をめぐるトラブルを避けようと、法整備に乗り出した。 インド、タイの医療機関やあっせん業者に取材すると、08年以降、インドで20組以上、タイで10組以上の夫婦が代理出産を依頼し、計10人以上が生まれていた。夫婦の受精卵を代理母に移植するほか、第三者からの提供卵子と夫の精子で受精卵を作り、代理母に移す例も多かった。 これまで、日本人が代理出産を依頼するのは米国が中心だった。インド、タイで日本人の依頼が増えた背景には、08年にインドで代理出産で生
<「アジア・モデル」をめぐる混乱> 先に指摘したように、中国と日本の際立った文化的対比を考えると、経済開発をめぐるどんな単独アジア・モデルの存在も、統一儒教文化圏が西欧に立ち向かうなどという図式も、ありえないことがわかる。もちろん、東アジア社会のほぼ全域をカバーする文化的な共通項は存在する。このなかには、日本人、中国人、韓国人が共有する教育重視という価値観があり、この儒教的価値に影響された他の文化もある。同様に、すべての東アジア文化は強固な労働倫理をもっている。とはいえ、東アジア社会はことごとく、(価値観を除外した)生活のための労働という概念を受け入れるようになった。貴族的、あるいは宗教的な価値観―――商業や金儲けを軽蔑する一方で、昼夜を問わず毎日働き続けることを尊しとする労働価値観―――は、いまやほとんど消え去っている。たしかに、アジア社会の多くでは、経済開発の方向性をめぐって、政府が
現在の中国にかつての日独のような力はない 近代世界は二度にわたってグローバル化を経験し、この二つの時期には貿易と投資がかつてなく拡大した。「各国が豊かさを求めるようになれば、伝統的な軍事ライバル関係もなりを潜め、平和が維持されるのではないか」。こうした期待が浮上した点でも、二つの時期は共通している。 だが、1880年から1914年まで続いた最初のグローバル化の時代は、第一次世界大戦、第二次世界大戦、そして冷戦とほぼ1世紀に及ぶ戦争によってあえなく引き裂かれてしまった。 だが、現在のグローバル化は先のグローバル化とは三つの重要な意味で違っている。かつてのドイツ帝国とは違って、中国が略奪者として振る舞い出す可能性は低いし、現在の主要国と新興国が相互に戦う可能性もほとんどない。つまり、世界各国は、これまでのような軍事的懸念にとらわれることなく、経済利益を模索できる環境にある。 第一次世界大戦前の
田島社長:まいど! 今回が最後やなぁ。もう半年くらい、あっという間でしたなぁ。お!今日はインディラ先生もいらっしゃるんですね! 鈴木先生:一応、最終回ということだしな。 インディラ先生:ご無沙汰でしたネ。 鈴木先生:で、田島社長の社内ではどういう話になっているのかな? 田島社長:私はインドを推しているんですけども、社内には「いや、インドに行く前にまず中国でしょう?」という意見がありましてね。もちろん私が最終判断をするんやけど、ちょっとインドに偏って調べてたため中国のこともリサーチせんとあかんなと思っているわけです。昨今の情勢も気にかかるんですが、インドと中国、この両者はどうしたものか。 鈴木先生:そうだな、インドと中国は比較されることが多いし、どっちが魅力的な市場か、もちろん一概には言えない。 インディラ先生:「インド」と「中国」という視点よりも、どんな「ビジネス」をどこで行うのが最適か、
北朝鮮による延坪島砲撃の後、韓国は軍事訓練を強化し、北との緊張関係が続いている。そんな中、週末のテレビで「韓米FTA電撃妥結」の速報が流れた。韓米FTAは、2007年6月に合意したものの、米議会が批准しないまま3年以上膠着状態にあった。しかし両国は追加交渉で合意。ついに山を越えた。両国の国会が批准した後、2012年1月1日に発効する予定だ。 よく知られている通り韓国は、輸出入がGDPの69.8%(2006年)を占めている。対外交易への依存度が高いのだ。韓国にとってFTAは、以下の目標を実現するため重要な国家戦略である。関税を安くして、輸出入で競争力を持つ。安定した市場を確保しつつ、新しい市場を切り開く。 韓国経済界は合意を歓迎 韓米FTA追加交渉は、「韓国が損をするだけの再交渉」として問題となっていた。米国は韓国に対して、韓国産自動車に対する輸入関税を撤廃する時期の延長や、環境・安全基準の
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