地元札幌で2週間で撮り上げた長編処女作『やくたたず』(10)が、ザラついたコントラストの高いブラック&ホワイトの画に、俳優達の顔と動作がリアルに息づく、とても生き生きとしたフィルムとして印象に残っている三宅唱監督の長編映画第二作、商業映画デビューとなる『Playback』は、村上淳、渋川清彦、三浦誠己、河井青葉、汐見ゆかり、菅田俊、渡辺真起子といった商業映画と自主映画を行き来してきた日本のインディーズ・オールスター総出演によって、山本政志以降の日本のインディーズ映画に一区切りをつけたような決定的な潔さが漂っている。 ”俳優”という因果な商売を生業にしたものたちが生きる無限の”パラレルワールド”を物語の骨格に組み込み、俳優たちの最も生き生きとした表情、仕草、話し方、その佇まいを捉える映画的瞬間の連続、そして、『やくたたず』的とでも形容すべき豊かな運動が立ち上がる瞬間、そうした全ての愛しいモノ