闇をひらく光 〈新装版〉: 19世紀における照明の歴史 作者: ヴォルフガング・シヴェルブシュ,小川さくえ出版社/メーカー: 法政大学出版局発売日: 2011/12/09メディア: 単行本 クリック: 1回この商品を含むブログ (10件) を見る 知覚は歴史的に変わるもの。五感が歴史的産物だという学説は、アラン・コルバンを嚆矢として、すでに人口に膾炙した観もある。 『闇をひらく光』は焔から光へと日常的な照明が技術的変革を遂げていくなかで、その変化に戸惑いつつも適応していった19世紀人の視覚の変遷を追っている。火から生まれる明るさから、全面的な光、光の全体性へと至る19世紀の啓蒙的テクノロジーを論じた一冊。 伝統的な照明といえば、蝋燭や暖炉だった。しかし暖かみを湛えた焔の文化はやがて光源から発せられる光が笠を介して辺りを照らすものへと進化していく。19世紀にはガス灯が登場する。劇場や街路のよ