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ブックマーク / pop1280.hatenablog.com (9)

  • ニコラス・レイ『生まれながらの悪女』 - 明るい部屋:映画についての覚書

    ワーナー・アーカイヴ・コレクションから出ている DVD でニコラス・レイの『生まれながらの悪女』を見たのだが、嬉しいのは、この DVD には使われなかった別エンディングが特典映像に収録されていることだ。 『生まれながらの悪女』は、プロデューサーのハワード・ヒューズが例によって編集に手を出してダメにしてしまった映画のひとつといわれている。現行版では、不倫がばれて、ジョーン・フォンテインがザカリー・スコットから三行半を突きつけられたあと、空港でのザカリーとジョーン・レスリーとの嘘のような和解の場面があって、ラストの屋敷前でのメル・ファラーとフォンテインとの短い別れのシーンが続く。ショーウィンドウに飾られたフォンテインの絵の値札が替えられるショットが、ラストショットである。 別エンディングはこれよりもずっと長い。ハワード・ヒューズが書いたという空港の場面はこの別エンディングにも入ってるのだが、全

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    gauqui
    gauqui 2012/12/18
  • レオンス・ペレについての覚書 - 明るい部屋:映画についての覚書

    レオンス・ペレ: サイレント時代にフランスで活躍した映画俳優・監督。1880年、ドゥー‐セーヴル県ニオールに生まれる。 最初は舞台俳優として出発するが、やがて映画界に身を投じる。ゴーモンで、ルイ・フイヤード監督らのもと、いくつかの短篇に俳優として出演すると、ペレはすぐさま監督としても活躍しはじめる。かれの映画俳優としてのデビューと、監督としてのデビューはほぼ同時であり、また、その監督作品の多くで、ペレは自ら主役を演じている。1913年に始まる「レオンス」シリーズは、ペレが主演・監督した初期短篇の代表作である。 ところで、この1913年になるまで、フランスでは、映画監督や俳優の名前は、映画のクレジットに登場することはなかったと言われている。製作会社がそれを禁じていたのだ。自分の名前をクレジットに載せるよう、最初にゴーモンに認めさせたのがこのレオンス・ペレだった。そして、これをきっかけに、他の

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    gauqui
    gauqui 2012/12/05
  • 『Too Late for Tears』『The Burglar』 - 明るい部屋:映画についての覚書

    以前、「フィルム・ノワール ベスト50」というリストを作った。フィルム・ノワールと呼ばれるジャンル(と呼んでいいのかは、微妙な問題だが)の代表的作品、これだけは見逃せないという作品を50選んだものだ。それなりに自信を持って作ったつもりである。しかし、これを作ったのはずいぶん昔のことだ。この当時は見ていなかった、見られなかった作品が、いまでは DVD などのかたちでずいぶん見られるようになった。フィルム・ノワールにはまだまだ隠れた佳作・傑作がたくさんあることが、だんだんわかってきた。この「ベスト50」もそろそろ更新しなければならないと思っている。その準備として、このリストではふれられていないが、見逃すことのできないフィルム・ノワール作品を、定期的に紹介していこうと思う。 バイロン・ハスキン『Too Late for Tears』(49, 未) 夜ドライブしていた夫婦の車に、対向車線を走って

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  • 詩人の声で語る人類学者〜ヴィットリオ・デ・セータについての覚書 - 明るい部屋:映画についての覚書

    ヴィットリオ・デ・セータ Vittorio De Seta 1923年、シチリア、パレルモの貴族の一家に生まれる。最初、ローマで建築を学んでいたが、ジャン=ポール・ル・シャノワがイタリアで映画のロケをした際*1にたまたま助監督の仕事をしたことをきっかけに、映画の道に進む。1953年に、16ミリ・キャメラを持ってイタリア南部にゆき、そこで初めていくつかのシークエンスを撮影。そしてその一年後、デ・セータは再びそこに戻って5年間で10の実に魅力的な短編ドキュメンタリー映画を撮りあげる。 それらの短編ドキュメンタリーは Carlotta より出ている DVD 『Vitttorio De Seta - Le Monde Perdu』のなかにほぼおさめられている。デ・セータは、徴兵された際に自分の育ってきた環境とはまったく違う労働者階級のそれを発見し、強く惹かれたという。彼のドキュメンタリーには、文

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  • ジャン=マリー・ストローブ、ダニエル・ユイレ、ジョン・フォードを語る - 明るい部屋:映画についての覚書

    境界線 ──ジャン=マリー・ストローブ、ダニエル・ユイレ、ジョン・フォードを語る ──『歴史の授業』を上映後の議論を思い出します。その中で、この作品とホークスの『三つ数えろ』が比較されました。どちらの作品においても、調査をする人物が、もつれた糸をほどき、人々と出会い、彼らに質問をする。これはつまり、あなたの映画ではフォードよりもホークスの存在のほうが、明白で明らかだということです。同意なさいますか? ジャン=マリー・ストローブ(以下、JMS):『歴史の授業』は反ホークス的映画だ。クレーンによる細分化された上下移動は、ホークスとは何の関係もない。われわれが撮った映画の中にホークス的作品があるとするなら、それは『オトン』だ。われわれの映画がフォード的かどうかということについては、答えない。それはうぬぼれがすぎる。そんな役目はチミノやコッポラに任せるよ。フォードと自分を比べるなんてごめんだ。 ─

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  • ツイッターに発表された青山真治による2010年のベストテン - 明るい部屋:映画についての覚書

    ツイッターに発表された青山真治による2010年のベストテン 1、ナイト&デイ 2、ゴダール・ソシアリスム 3、シャッター・アイランド 4、ブロンド娘は過激に美しく 5、インビクタス 6、第9地区 7、スプリング・フィーバー 8、クリスマス・ストーリー 9、バッド・ルーテナント 10、ローラーガールズ・ダイアリー (『ナイト&デイ』はわたしも1位です。『シャッター・アイランド』の評価が高いですね。そんなによかったですかねぇ? とにかく予告編が悪かったですよ。あれじゃ見終わったあとにがっかりするでしょ。)

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  • 「フィルム・コメント」誌に掲載された蓮實重彦のベスト10 - 明るい部屋:映画についての覚書

    「フィルム・コメント」誌に掲載された蓮實重彦のベスト10 1.刑事ベラミー 2.第9地区 3.ゴダール・ソシアリスム 4.冷たい雨に撃て〜 5.ゲスト 6.ナイト・アンド・デイ 7.アウトレイジ 8.テトロ 9.ブンミおじさん 10.アンストッパブル +何も変えてはならない だそうです(ツイッターからの転載なので未確認)。『第9地区』評価高すぎ。『ゲスト』はたぶんゲリンの作品。

    「フィルム・コメント」誌に掲載された蓮實重彦のベスト10 - 明るい部屋:映画についての覚書
  • ジャン・ドゥーシェ「愛する技法」 - 明るい部屋:映画についての覚書

    映画批評家ジャン・ドゥーシェの主著の一つ『愛する技法』(L'art d'aimer) の冒頭に収められた同名の評論「愛する技法」を試訳してみた。 ジャン・ドゥーシェは、50年代の終わりに「カイエ・デュ・シネマ」と「アール」誌で映画批評を書き始めた*1。ロメールや、トリュフォー、ゴダールとくらべるとちょっと遅れてやってきたかたちである*2。もっとも、1948年からメッシーナ通りのシネマテークに通っていたドゥーシェは、この頃には彼らとは旧知の仲であり、同じ映画作家たち、とりわけアメリカ映画の監督たちへの愛を共有しあっていたはずだ。 ネガティブな批評は居心地が悪いというドゥーシェの批評の根底には、常に、作品への愛がある。まず作品への愛がなければ話にならない。感性や、直感によって、愛する作品を深いところで理解する。そして、その愛する作品を人に伝えるのが批評の役目だというドゥーシェの姿勢はわかりやす

    ジャン・ドゥーシェ「愛する技法」 - 明るい部屋:映画についての覚書
    gauqui
    gauqui 2010/12/18
    『批評は、芸術家や芸術の価値を、絶えず問い直すことで、発見するのだ。批評は創造の領域と分かちがたく結びついているのであり、それ自体が芸術として創造的なものとなるのである』
  • 試訳(1) - 明るい部屋:映画についての覚書

    別に出す予定もないのに、映画を一冊訳しはじめてしまった。公にしたほうが緊張感を持って訳せるので、ブログに載せることにしたが、気まぐれでやっているだけなので、飽きたらすぐにやめるし、すぐに飽きると思う。しかし、ひょっとしたら当ににする可能性がないわけでもないので、タイトルはあえて伏せておく。 ミスター・メモリー エスタブリッシング・ショット:暗闇に沈む街、現代。 カメラが通りを進んでゆく。霧が輝いているような特殊効果。小道具にゼリーを塗りつけて輝かせるか何かしてるのである。いろんなやり方を知っていて、人間の知覚を研究しているのだ。スタジオのラボの技術者たちは、何が、どのぐらい、観客の視線を引きつけたりそらしたりするのか心得ている。瞬きの科学を極めているのだ。 周到に配置された都会のがらくたの山をぬって、視覚効果班がレンズを動かす。照明を傾けて、溝で汚臭を放っている緑がかった水たまりを

    試訳(1) - 明るい部屋:映画についての覚書
    gauqui
    gauqui 2010/10/21
    期待
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