「PFAS漏れ事故は『非公表』で」アメリカの要求に日本は従い、国民に真実を隠した…政府関係者が経緯明かす 米軍横田基地(東京都福生市など)で昨年1月に発生した高濃度の有機フッ素化合物(PFAS)を含む汚染水の漏出事故について、日米両政府が非公表とする方針で合意していたことが、政府関係者への取材で分かった。日本政府は、米軍側から事故についての説明を受けた際、情報を外部に出さないよう求められ、これに従っていた。(松島京太)
東京・多摩地域の水道水源の井戸で発がん性の疑われる有機フッ素化合物(PFAS=ピーファス)が高濃度で検出されている問題で、汚染源の可能性がある米軍横田基地(福生市など)が、米国の飲用水の新規制値を満たさないとして、基地内の飲用井戸の運用停止を検討していることが、政府関係者への取材で分かった。厳しくなった新規制で、米軍が地下水の除染や汚染源の特定に取り組む可能性があるが、その機会が失われかねない。(松島京太) 多摩地域のPFAS汚染 米軍横田基地で2010〜23年、PFASを含む泡消火剤などの漏出事故が計8回発生。12年発覚の事故では泡消火剤の原液約3000リットルが土壌に漏出したが、米軍は基地外への影響を否定している。都の地下水調査では、基地南東の約1キロ地点で、強制力のない日本の暫定指針値(PFOSとPFOAの合計値で1リットル当たり50ナノグラム)の27倍を検出。これは都内最高値。基地
有機フッ素化合物の「PFAS」のうち、有害性が指摘されている2つの物質について、千葉県鎌ケ谷市の井戸水から国の暫定目標値の最大240倍の濃度が検出され市などが原因を調べています。 有機フッ素化合物の「PFAS」の一種「PFOS」と「PFOA」の2つの物質は有害性が指摘され、国内で製造や輸入が禁止されています。 千葉県内では、柏市と白井市の境を流れる川や周辺の井戸などで、2つの物質を合わせた濃度が国の暫定目標値の1リットル当たり50ナノグラムを上回って検出されています。 こうした状況を受けて2つの市に隣接する鎌ケ谷市では川の上流部にあたる海上自衛隊下総航空基地に近い地域で、先月、17本の井戸の調査を行ったところ、このうち7本の井戸の水から国の値を超える濃度が検出され、最大で240倍に上ったということです。 市によりますと、一部の井戸水はふだん飲み水として利用されていますが、これまでのところ体
神奈川県横須賀市の上地克明市長と面会する防衛省の大和太郎地方協力局長(奥左)ら=24日午後、横須賀市役所 神奈川県横須賀市の米海軍横須賀基地で昨年、排水から有害な有機フッ素化合物を除去するフィルターの稼働が停止された問題で、防衛省は24日、「日本の法令でPFOSなどの排水基準がなく、分析する必要はない」などとする米軍側の説明を市に伝えた。 2022年、基地にある排水処理場の排水から、発がん性などの毒性が強く指摘される「PFOS」と「PFOA」が高濃度で検出された。上地克明市長は今年2月、米軍側から稼働停止の適切な説明がないとして、防衛省に対応を求めていた。 防衛省の大和太郎地方協力局長は24日、市役所を訪れ、「国としては横須賀港に流出する蓋然性は低いと考えている」と話した。
米軍横田基地(東京都福生市など)で発がん性が疑われる有機フッ素化合物(PFAS、ピーファス)を含む泡消火剤が漏出した問題で、防衛省は21日、2010~2012年に発生した計3件の漏出を2019年1月に把握していたと発表した。都や周辺市町に伝えたのは今年6月で、漏出の把握から公表まで4年半を要した。同省は「省内の連携ミスで公表が遅れた。速やかに情報提供すべきだった」と釈明した。 PFAS 泡消火剤やフライパンの表面加工などに使われてきた有機フッ素化合物の総称。約4700種類以上あるとされる。PFOS(ピーフォス)やPFOA(ピーフォア)は人体や環境への残留性が高く、腎臓がん発症や胎児・乳児の成長阻害、コレステロール値の上昇、抗体反応の低下などの健康リスクがあるとされ、国際的に規制が進む。 同省によると、2018年12月の漏出事故の報道を受け、2019年1月に米側から漏出についての報告書を入手
Published 2023/07/14 19:47 (JST) Updated 2023/07/14 20:05 (JST) 沖縄県は14日、米軍普天間飛行場(宜野湾市)など県内5基地の周辺44地点で、湧き水や河川の水質を2月に調査した結果、30地点で有害な有機フッ素化合物「PFOS」と「PFOA」の濃度が国の暫定目標値を超えたと発表した。 県によると、30地点で濃度が最大だったのは嘉手納基地(嘉手納町など)近くの湧き水。暫定目標値は両物質の合計で1リットル当たり50ナノグラムだが、同湧き水は目標値の36倍に当たる1800ナノグラムだった。 基地周辺での調査は2017年度に始まった。県は、目標値を超えた地点で水を飲まないよう住民に呼びかけるとともに、国や米軍に対し、立ち入り調査などを求めていくとした。
神奈川県にあるアメリカ海軍横須賀基地の排水から、有害性が指摘されている有機フッ素化合物=PFASが高濃度で検出された問題で、アメリカ軍から説明を受けた防衛省の担当者が10日、市に対し、浄化設備の設置後、高濃度の検出はなくなったものの、汚染源の特定は困難だと説明しました。 去年、アメリカ海軍横須賀基地の排水処理施設から、有害性が指摘されている有機フッ素化合物=PFASの一種、PFOSとPFOAが、最大で国の指針値の258倍の濃度で検出されました。 アメリカ軍は、排水施設にPFASを吸着するフィルターを設置したうえ、原因を調査していましたが、アメリカ軍から情報提供を受けた防衛省の担当者が10日、横須賀市の上地克明市長と面会し、その内容を説明しました。 それによりますと、フィルターの設置後、排水から国の指針値を超える濃度の検出はなくなったということです。 一方、排水処理施設は基地すべての排水を管
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東京都内で都や環境省がPFAS(ピーファス)濃度を調べた井戸水の膨大なデータは、米軍横田基地(福生市など)が汚染源である可能性を強く示す。住民の健康を守るべき都は「日米地位協定」を理由に、基地への立ち入り調査はできないとして消極的だ。こうした及び腰の姿勢に、専門家から疑問の声が上がる。(松島京太) 日米地位協定 在日米軍の日本国内での権利を定めた取り決め。旧日米安保条約に基づく日米行政協定を改め、1960年の安保条約改定とともに発効した。米側に米軍基地の独占的な管理や米軍関係者による公務中の犯罪の裁判権など特権を認めている。米軍側が国内で事故や事件を起こしても、日本側は十分な調査や捜査ができないことが問題となっている。
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「PFASは『永遠の化学物質』と呼ばれています。一部は1000年以上、土壌に残るといわれ、暴露すると体内に長年とどまり続ける」。ミッチェルさんは、PFASの危険性をこう話す。 有機フッ素化合物(PFAS) PFOSやPFOAなど多くの種類がある。耐熱性に優れ、水や油をはじく性質があり、調理器具のコーティングから空港の泡消火剤までさまざまな用途に利用されている。自然界では分解されず、体内に蓄積されやすく、発がん性など健康被害が指摘されている。国際的に規制が進み、日本でもPFOSは2010年、PFOAは21年に製造・輸入が原則禁止された。近年、沖縄の基地周辺での深刻な汚染が問題化。批判の高まりを受け、国は20年5月、PFOSとPFOAを合わせた「暫定目標値」を1リットルあたり50ナノグラムと設定した。 同県大和市と綾瀬市にまたがる米海軍厚木基地から9月下旬、PFASの一種の「PFOS」などが含
Published 2022/10/15 18:26 (JST) Updated 2022/10/15 18:43 (JST) 沖縄県の米軍基地周辺で水道や河川から有害な有機フッ素化合物が検出されている問題で、市民団体は15日、住民の血液検査で一部、血中濃度の高い結果が出たと発表した。濃度が高いと健康リスクが上がるとされる。団体は、日米地位協定が壁となり実現していない基地の立ち入り調査や、幅広い血液検査の実施を国や県に求める。 団体は6~7月、嘉手納町など6市町村の計387人から採血し、京都大の原田浩二准教授に分析を依頼した。日本に血中濃度の基準はなく、ドイツを参考に調査。同国の有機フッ素化合物「PFOS」の目標値を27人が上回った。宜野湾市の住民からは目標値の2倍超を検出した。
沖縄県が米情報公開法を使って在沖米軍基地におけるPFAS(ピーファス)の使用や管理状況などの情報を得ようとすることに米軍側が不満を示していることに対し、県側からは「県民の安全を守るため、必要な情報を得る正当な手段だ」などと反発の声が上がる。 米軍が普天間飛行場の消火訓練施設の有機フッ素化合物PFAS汚水を、普天間第二小学校に近接する水路を使って民間地に放出していたことなど、本紙の情報公開で明るみに出ることも多い。 PFAS入りの泡消火剤が漏れる事故が2019年と20年に2件、米軍普天間飛行場で起きたにもかかわらず、米軍が公表していなかったこともある。 県幹部は、事故について県や周辺自治体に十分な情報が共有されないとして「(米軍は)真正面から聞いても答えない。県民の生命と財産を守るためにも県が情報を知る必要がある」と指摘。米情報公開法の利用は「適切な手段で、批判される筋合いはない」と反発した
対潜水艦戦の訓練でヘリコプターが使われていたのは、潜水艦の探知は微弱なスクリュー音を探る以外に方法がないからだ。海中は電波が伝わりにくく、航空機を探知するようなレーダーは使えない。ヘリからつり下げたソナー(音波探知機)でスクリュー音を探り、潜水艦の位置を特定するには三角測量の技法が使われる。 今回の事故では、3機のSH60K哨戒ヘリがそれぞれのソナーで海中を探り、3機でつくった三角形の中に潜水艦を追い込んで位置をピンポイントで特定するための訓練だった。このうちの2機が空中で衝突した。 事故が起きた伊豆諸島の鳥島東方海域の天候は晴れ、満月の2日前に当たり、月明かりもあった。他機の接近を知らせる計器に加え、衝突防止灯もあるので目視でも互いの位置は確認できたはずだ。 しかし、夜間の事故は過去にも起きている。2021年7月、鹿児島県の奄美大島沖で夜間飛行中の哨戒ヘリ2機が接触した。うち1機は全地球
沖縄県の金武町が県環境科学センターの協力を得て昨年8月からことし1月までに町内15地点で実施した河川などの水質調査で、金武地区公園西側の米軍キャンプ・ハンセンのフェンス沿いから海に続く排水路(琉球病院の上流地点)から有害な有機フッ素化合物PFOS(ピーホス)とPFOA(ピーホア)が1リットル当たり計165ナノグラム検出されたことが16日、分かった。同センターは「有害な化合物の主要な発生源はキャンプ・ハンセンと確認された」としている。 センターは、排水路で計4回実施した調査でPFOSの値が上流に行くに従って高くなって、排水路上流には米軍基地があるため、汚染源と断定した。国の暫定指針値・目標値(50ナノグラム)の...
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