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ここまで「アイヌ」という言葉をずいぶん蕪雑に使ってきた。しかし「アイヌ」とは何か、という問題が閑却に付されてはいけない。 同級生「知里君、北海道ならアイヌを見たかい」 知里真志保「アイヌが見たかったら、このおれがアイヌだよ」 知里「なんで遠い北海道まできたの?」 少年「アイヌが見たかったから」 知里「ナニィッ、アイヌがみたくって!そんならここに立っているこの俺をよくみろ。それで十分だろッ」 この同級生は後に運輸事務次官を経て新東京国際空港公団総裁に就任する。エリートであったこの同級生にとって、第一高等学校の同級生にアイヌがいるとは夢にも思わなかったであろう。また少年にとってはまさか目の前の北海道大学教授がアイヌだとは思いもしなかったことだろう。おそらく彼らの頭の中にはアイヌに関する固定観念が存在していたのであろう。それは彼らだけではなく、今の我々にも存在している。アイヌを「原日本人」ととら
靖国神社を題材にした中国人監督のドキュメンタリー映画「靖国 YASUKUNI」が東京と大阪の映画館で上映中止になった。抗議電話などがあり、客やテナントに迷惑をかけられないという。残念だ。 この映画は、靖国神社の参拝風景や神社に納める「靖国刀」をつくる刀匠の姿などを記録した作品である。文化庁が750万円の助成金を出していたため、自民党議連「伝統と創造の会」(会長・稲田朋美衆院議員)の要請で試写会が開かれた経緯がある。 そこで、助成に必要な政治的中立性などをめぐって疑問点が指摘され、今月の封切り前から話題を呼んでいた。映画を見て、評価する人もいれば、批判する人もいるだろう。上映中止により、その機会が失われたことになる。 実際に、公的機関などから上映中止の圧力がかかったり、目に見える形での妨害行為があったわけではない。映画館側にも事情があろうが、抗議電話くらいで上映を中止するというのは、あまりに
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