米ニューヨーク州立大学バッファロー校は、ウィスコンシン大学とサウジアラビアのアブドラ王立科学技術大学と共同で、放射冷却と太陽熱暖房を組み合わせたハイブリッドデザインのシステムを開発した。電気を使わずに室内を冷却し、太陽エネルギーを取り込んで水を加熱する実証試験に成功したという。研究成果は『Cell Reports Physical Science』にて2021年2月8日に発表されている。 放射冷却とは、熱が逃げることで温度が下がる現象。例えば日中太陽によって暖められた地表が、夜に熱を放出することで冷たくなるなど、日常生活においてなじみ深い現象でもある。 実証実験では放射冷却を用いて、直射日光下の屋外環境で温度を12°C以上低下させた。また、夜間の屋内試験では14°Cの低下に成功。さらに、冷却と同時に水を約60°Cまで加熱するのに必要な太陽エネルギーも得られた。実験に用いたパネルは70cm2