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ブックマーク / blog.livedoor.jp/route408 (7)

  • 「C2」が合成された話 : 有機化学美術館・分館

    5月13 「C2」が合成された話 カテゴリ:有機化学構造 有機化学は、いうまでもなく炭素原子を中心とした化学の分野です。炭素は極めて奥深い可能性を持ちますが、やはり一つの元素を世界の化学者がよってたかって200年も研究しているわけですから、炭素だけから成る全く新しい化学種が出てくることは、今やそうそうありません。1985年に登場したフラーレンはその数少ない例の一つであり、だからこそ科学者は驚きと興奮を持ってこれを迎えたわけです。 しかし最近になり、「C2」という化学種がフラスコ内で作れることが報告されました(論文。オープンアクセスです)。東京大学の宮和範准教授、内山真伸教授らの研究グループによる成果です。今回はこの何がすごいのか、ちょっと書いてみます。 水素や窒素、酸素といった元素は、それぞれH2、N2、O2といった二原子分子を作り、これらはいずれも安定に存在します。しかし炭素の二原子分

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    gazi4 2020/05/30
  • 一人でサイエンス : 有機化学美術館・分館

    4月29 一人でサイエンス カテゴリ:有機化学医薬 Nature誌やScience誌などで、有機合成関係の論文を見かける機会が増えてきました。90年代ごろには、両誌に有機分野の論文が載ることはきわめてまれで、Nicolaouのタキソール全合成(Nature 367, 630 (1993).)や、村井らの触媒的C-H結合活性化反応(Nature 366, 529 (1993).)など、文字通り歴史的な論文がたまに掲載される程度でした。筆者など、ちょっと生物学分野に偏り過ぎなんじゃないの、と思っていたものです。 しかし最近では、毎週のように――はちょっと言い過ぎかもしれませんが、かなりたくさん有機分野の論文が掲載されるようになりました。その分、なんでこれがNature、Scienceなんだろかと思うようなこともありますが、まあ筆者の見る目がないのでしょう。 こうした超一流誌に掲載される論文は、

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    gazi4 2016/04/30
  • 赤はなぜ色褪せるのか

    9月6 赤はなぜ色褪せるのか カテゴリ:有機化学構造 街を歩いていると、色あせた古い標識を見かけることがあります。 この標識は来鮮やかな赤色の矢印なのですが、ご覧の通りかなり褪色して薄いピンクのような色合いになっています。これに対し、国道のおにぎりマークや縁取りの青はまだ鮮やかさを保っています。このタイプの標識は、1995年から設置されるようになったものですので、20年ほどで赤だけがずいぶん色褪せてしまっているということになります。 このように、赤色が他の色より褪色しやすいというのは、ちょくちょくみかける現象です。ひどくなると下の写真のように、肝心なところがきれいに抜けて読めなくなったりします。大事なことは赤で書きたくなりますが、時の流れを考えるとあまり得策でないことがわかります。 さて、なぜ赤色はさめてしまいやすいのでしょうか?これは偶然ではなく、それなりの理由があります。まず赤い塗料

    赤はなぜ色褪せるのか
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    gazi4 2015/09/07
  • 天然に存在した意外なもの(1) : 有機化学美術館・分館

    3月8 天然に存在した意外なもの(1) 化学者はこれまで、ありとあらゆる手法でさまざまな物質を混ぜ合わせ、自然界にはないたくさんの物質を作り出してきました。プラスチックや各種半導体など、我々の生活を支える物質も、天然には存在しなかったものです。 しかしやはり自然とは奥深いもので、人間が人工的に作り出したとばかり思っていたものが、実際には昔から天然にも存在していたというケースは少なからずあります。今までにも、ブログでいくつかそうしたケースを取り上げてきました。中には、人工の医薬品が天然の植物から見つかったと思ったら、実は使いすぎによる汚染のためだった、なんてお話もありました(「たゆたえども沈ます」さんの記事)。 しかし、どう見ても人工物としか思えない、フッ素を含んだ抗がん剤である5-フルオロウラシルの誘導体が、実際に天然から見つかった例もあります(論文)。やはり自然とは計り知れないものです

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    gazi4 2015/03/08
  • 安息香酸のこと : 有機化学美術館・分館

    5月25 安息香酸のこと 某ミュージシャンの覚醒剤使用騒動に伴い、「アンナカ」という言葉がマスコミに流れるようになりました。アンナカは「安息香酸ナトリウムカフェイン」の略称ですが、単独の化合物名ではありません。興奮剤であるカフェインに、溶解性を上げるための安息香酸ナトリウムを混ぜたもので、これ自体は別に違法なものではありません。処方箋さえあれば販売可能ですが、最近ではあまり使われない医薬品のようです。ただし昭和の時代には、覚醒剤の混ぜ物あるいは代用品として出回ったことがあるとのことです(参考:弁護士小森榮の薬物問題ノート) カフェイン このニュースを見た人から「安息香酸って不思議な名前だけど、なんだろう」という声があったので、ちょっとその話を書いてみます。化学者にとってはおなじみの名前ですが、由来を知っている人は少ないのではないでしょうか。 安息香酸の構造は下図に示す通り、ベンゼン環にカル

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    gazi4 2014/05/26
    「いいにおいがするから」って凄いテキトーな説明受けてたが、そうじゃなくてって話
  • 塩味のペプチド : 有機化学美術館・分館

    10月16 塩味のペプチド カテゴリ:有機化学 某所で、味のある有機化合物の話を書いておりました。味があるといっても、目立たないがいいところで渋い働きをしてくれる化合物とかではなく、甘いとか酸っぱいとかの話です。 甘い化合物の話は、今までにも何度か書いております(こちらなど)。アミノ酸2つがつながったアスパルテームがその代表選手ですが、グリシンやセリンも甘いし、D-6-クロロトリプトファンなどは砂糖の約1300倍という驚くほどの甘さを示します。 アスパルテーム。砂糖の180倍ほどの甘さ。 これらが注目されるのは、やはり甘味という味が特別だからです。他の味はとめどなくうということはありませんが、甘味だけは誰もが好む味です。しかし砂糖の摂り過ぎは、肥満や糖尿病など恐ろしい病気の原因となりますから、これに代わりうる化合物を創れば、大いに商売になるのです。このへん、「炭素文明論」というとても面白

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  • 猛毒・リシンの横顔 : 有機化学美術館・分館

    4月18 猛毒・リシンの横顔 あちこちからニュースが飛び込んできて、何かと騒がしい昨今です。アメリカではボストンマラソンでの爆発テロという大きな悲劇の後、「リシン」という毒物が上院議員の元に送られたと報道されています。さらにオバマ大統領のところにもリシンらしき物質が送りつけられたとのことで、9・11後に炭疽菌テロの行われた、2001年を思わせる状況となってきました。 さてこのリシンとは、いったいどんな物質でしょうか。これはタンパク性の猛毒で、トウゴマという植物の種子から得られるものです。単離されたのは1888年といいますから、かなり古くから知られていたタンパク質のひとつです。 トウゴマ(ヒマ)の種子 英語では「ricin」という綴りです。日語で表記すると区別がつきませんが、アミノ酸のリシン(リジンとも)は「lysine」ですので、全くの別物です。 リジン(lysine) さてこのリシンは

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