何げなく撮影したピースサインの写真。インターネット上に公開すると、その写真から、指紋を読み取られるリスクがあることをご存じだろうか。本人かどうかを判定する指紋認証は、マンションのオートロック解除やスマートフォンのログインなど日常生活で広く普及しているだけに、なりすましによる悪用が懸念されている。写真撮影や会員制交流サイト(SNS)への投稿には注意が必要だ。(小中寿美) 問題を提起した国立情報学研究所(東京)の越前功教授(46)によると、指紋の情報を他人が読み取るには従来は、指に接近して撮影するか、事件の鑑識活動のように、コップなどに残された指紋から入手する以外はできなかった。