『エドワード・ヤンの恋愛時代』はなかなか面白い。面白い、という言いかたは、僕の言葉づかいの癖のひとつだ。見ていて盛んに笑うことが出来た、というような意味ではない。いろいろと考えて楽しむきっかけを作ってくれるから、見ておいてよかった、というような意味だ。 製作を終えて完成された映画は、すでに過去だ。だから現在の台北と言うよりも、つい昨日の、あるいはほんの一昨日の台北を、この映画は背景として持っている。経済活動を中心にした熱気や活気が縦横に渦を巻いて巨大な喧騒を作り出し、それが周囲のいたるところにエネルギーをまき散らし、ぜ… 底本:片岡義男エッセイ・コレクション『「彼女」はグッド・デザイン』太田出版 1996年
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