ビジネス街の書店をめぐりながら、その時々のその街の売れ筋本をウオッチしていくシリーズ。今回は定点観測している八重洲ブックセンター本店だ。今月の新刊もだいぶ出そろってきて、店頭はにぎわっているようにも見えるが、初速の勢いは予想外に鈍く、19年後半の売れ筋がビジネス書全般の売れ行きを支えている状況だ。そんな中、書店員が注目するのは、人工知能(AI)を使いこなす文系人材になる基礎知識や考え方をまとめた本だった。 AIをどう使いこなすかその本は野口竜司『文系AI人材になる』(東洋経済新報社)。著者の野口氏はデジタルマーケティング支援系のスタートアップ企業で長くAI活用の推進や人材育成に取り組み、19年からZOZOの関連会社で、AIビジネスの推進役を務める。自らも文系出身でAI推進プロジェクトを数多く手掛けてきた立場から、文系AI人材の必要性と、そうした人材になるために必要な知識をわかりやすく説いた