絶滅の危機に直面するサイとサルの体細胞から、様々な細胞に変化できるiPS細胞(新型万能細胞)を作製することに、米スクリプス研究所などが成功した。 iPS細胞から精子と卵子を作って絶滅危惧種の個体を新たに増やし、種の保護に道を開くかもしれない。科学誌ネイチャー・メソッズ電子版に5日発表する。iPS細胞の作製は、絶滅危惧種では初めて。iPS細胞の新たな応用分野として注目される。 研究チームは、米サンディエゴ動物園で冷凍保存している800種の脊椎動物の遺伝資源に注目した。世界中でわずか7頭しか生存していないキタシロサイと、同じ絶滅危惧種でオナガザルの仲間のドリルの皮膚細胞を同園から入手。ウイルスを使って4種類の遺伝子を細胞に導入し、iPS細胞を作製した。