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ブックマーク / book.asahi.com (17)

  • 「フランス革命史」書評 庶民の記録で跡づける多様な姿|好書好日

    ISBN: 9784560098950 発売⽇: 2022/06/29 サイズ: 19cm/497,98p 「フランス革命史」 [著]ピーター・マクフィー 「市民革命」という言葉はやめませんか。数年前、ある思想史事典の編集委員で連名記事をつくる際、そう申し入れたことがある。日語のこの言葉には独自のニュアンスがあるにせよ、西洋語では「ブルジョワ革命」と翻訳するしかない言葉だからだ。日の教科書のように、西洋近代の政治変動をこの言葉で一括するのは、欧米ではごく稀(まれ)だ。 フランス革命を「ブルジョワ革命」とみなす通説にフランソワ・フュレが批判を寄せてから、半世紀ほどの年月を経た。階級闘争史観の次の次はどうなっているか。2016年にイエール大学出版局から原著が出版されたこのは、この問いに一つの方向性を示している。新旧の膨大な革命史研究の成果をバランスよく折衷的に吸収しながら、平易に、テンポ

    「フランス革命史」書評 庶民の記録で跡づける多様な姿|好書好日
  • 「シャルリとは誰か?」書評 カトリックの衰退、異教の排撃を招く|好書好日

    シャルリとは誰か? 人種差別と没落する西欧 (文春新書) 著者:エマニュエル・トッド 出版社:文藝春秋 ジャンル:新書・選書・ブックレット シャルリとは誰か? 人種差別と没落する西欧 [著]エマニュエル・トッド トッドはこれまでの著作で、世界各地の社会の政治や思想のあり方を、4種類の家族形態の違いから、統計学にもとづいて説明してきた。すなわち、生産様式にもとづくマルクス主義的決定論を退けながら、家族内での交換様式(兄弟間の平等性など)が窮極的に観念的上部構造(政治や思想など)を決定するという見方をとっている。それによって、彼はフロイトやマルクスとは違った「無意識」の構造を照らしだす。思いもよらぬ省察がそこから生まれる。 書では、その手法によって、近年のフランスの国内政治が鮮やかに分析されている。2015年1月、過激派イスラム教徒が、イスラム教を風刺した週刊新聞を発行している「シャルリ・エ

    「シャルリとは誰か?」書評 カトリックの衰退、異教の排撃を招く|好書好日
    gimonfu_usr
    gimonfu_usr 2016/03/08
    ( "私は自分の信じていた宗教を冒涜(ぼうとく)する、ゆえに、他人の宗教を冒涜する権利と義務がある、と彼らは考える。" )
  • 温又柔「台湾生まれ」書評 日本語育ち 母語というルーツを探る旅|好書好日

    台湾生まれ 日語育ち [著]温又柔 限りなく小説に近いエッセイの秀作だ。フィクションという意味ではなく、言葉では説明できないこの社会での力関係やマイナーな感覚を、それでも言葉で示そうと格闘し、成し遂げた文章だからだ。 両親とともに3歳で日に来て以来、日で生きている著者は、初めて覚えた言葉として中国語、台湾語を話した記憶を持ちながら、日語話者として育つ。だが、著者はそれを「母語」とは素直に呼べない。台湾人である自分、中国語、台湾語、日語を混ぜこぜに話す親、日語ネイティブで中国語が不得手だった祖父母。そのような環境で育った自分にとって、「母語」とは、国語とは、国とは何か、と著者は考え続ける。 著者がそんな疑問を持つのは、日常の中で「日人」や「日語」が当然の前提として扱われるたびに、孤独と違和感を抱かされるからだ。これらは抽象的な問いなどではなく、自分にとっての普通を生きるための

    温又柔「台湾生まれ」書評 日本語育ち 母語というルーツを探る旅|好書好日
  • 「兵士とセックス―第二次世界大戦下のフランスで米兵は何をしたのか?」書評 戦争が誘発する性暴力とは|好書好日

    兵士とセックス 第二次世界大戦下のフランスで米兵は何をしたのか? 著者:メアリー・ルイーズ・ロバーツ 出版社:明石書店 ジャンル:社会・時事・政治・行政 兵士とセックス―第二次世界大戦下のフランスで米兵は何をしたのか? [著]メアリー・ルイーズ・ロバーツ 1944年夏、フランスのノルマンディー。ここで米軍が行った上陸作戦は、しばしば軍事的側面からのみ取り上げられる。その後のフランスで、米兵がどのような生活を営んでいたのかについては、ほとんど焦点があたらない。書は、性という観点から、第二次大戦下の米仏関係を読み解く一冊。三部構成で、一部では「恋愛」を、二部では「売買春」を、三部では「レイプ」を取り扱っている。 ノルマンディー作戦は、ナチスからフランスの女の子たちを救い出し、キスの嵐で迎えられるといったジェンダー表現でたびたび受容された。この物語はフランスに対する支配意識とも結びつき、兵士た

    「兵士とセックス―第二次世界大戦下のフランスで米兵は何をしたのか?」書評 戦争が誘発する性暴力とは|好書好日
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    gimonfu_usr 2015/10/14
    (「よその国でもやっていたのに何故、日本だけが糾弾されるのか」を解明する意味がないとは思いません。免罪が欲しいという話ではなく被害意識という過去がどのように政治的資産になっていくかを知るためにも。)
  • コラム別に読む : ワイマール憲法 三島憲一さんが選ぶ本 - 三島憲一(大阪大名誉教授) | BOOK.asahi.com:朝日新聞社の書評サイト

    ■民主主義は意外と脆い 麻生財務相のナチス発言には重大な事実誤認がある。1933年1月、ヒトラーは大統領指名で首相になったのであり、「選挙で選ばれた」のではない。ワイマール憲法を無効化した全権委任法も、「だれも気づかないで」通ったのではない。 日では、ワイマール共和国のことは、専門家を除いて忘却の彼方(かなた)に沈んでしまったようだ。しかし、日は、この共和国を葬ったナチスと組んだ。大戦に伴う悲劇と国家犯罪は今でも尾を引いている。忘れるわけにはいかない。 第1次大戦の敗戦によるドイツ帝国の崩壊を受けて、ワイマールの町で起草されたためにこう呼ばれるワイマール憲法は当時の内相が「世界で最も民主的な」憲法と自画自賛した。内容はヴィンクラー『自由と統一への長い道』第1巻に詳しく紹介されている。先進大国で最初に男女平等の選挙権を導入した。アメリカより少し、イギリスやフランスよりずっと早い。「私有財

    コラム別に読む : ワイマール憲法 三島憲一さんが選ぶ本 - 三島憲一(大阪大名誉教授) | BOOK.asahi.com:朝日新聞社の書評サイト
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    gimonfu_usr 2015/02/24
    ( 国家社会主義/ワイマール共和国 "国家は国民と別に存在しており、国民は国家理性に服すべし" " 大統領の権限 〔首相指名 基本権停止〕"/ボン基本法
  • ジョン・ウィリアムズ「ストーナー」書評 詩情がにじむ文章の運び|好書好日

    ストーナー [著]ジョン・ウィリアムズ 読んでいるあいだじゅう、心のどこかが震えているような気がした。そして、読み終わったあともそれが続いている。 原作は1965年に米国で発売されたが、長く忘れさられていた。今世紀に入って復刊され、欧州各国でベストセラーになった。何を書いた小説かといえば、二つの大戦を経て退官間際に亡くなった無名の助教授の一生、というしかない。静謐(せいひつ)にして詩情がにじむ文章の運びがすばらしい。零細な農家に生まれた青年が文学に目覚め、結婚と家庭生活に失望し、仕事に打ち込むも大して報われないまま死んでいく。だが、これでよし。悲しみと諦めに満ちていても、人生は愛すべきもの。書はそう確信させてくれる。    ◇ 東江一紀訳、作品社・2808円

    ジョン・ウィリアムズ「ストーナー」書評 詩情がにじむ文章の運び|好書好日
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    gimonfu_usr 2014/11/19
     ( 米国 / 東江一紀 )
  • 星野智幸「夜は終わらない」書評 物語を欲望するニセ暴君の時代|好書好日

    夜は終わらない [著]星野智幸 『アラビアンナイト』はご存じのように千夜もの間、暴君に物語を語って聞かせ、自らの命をながらえるばかりか、それなしではいられなくしてしまうシェヘラザードという女性が主人公であった。 よき文芸は先行作品をたたえ、笑い飛ばし、価値をひっくり返す。星野智幸がまさに千夜ほどの時間をかけて書き上げたのは、反対に「出逢った男たちに物語を語らせる」玲緒奈という女性を“暴君”とした小説である。 玲緒奈はスタイリッシュな服や宝飾品で自らを飾って男たちをだまし、金を奪い取り、命を奪う。メールを利用し、睡眠薬を溶かし、パソコンからデータを消去しては結婚詐欺を繰り返す。 まさに今どきの犯罪者・玲緒奈だが、『アラビアンナイト』のシャフリヤール王とはまるで違う。性別だけではない。玲緒奈はやんごとなき家柄に生まれたわけでも、宝物のように育てられたのでもなさそうだ。「印象の薄い顔」に見事なメ

    星野智幸「夜は終わらない」書評 物語を欲望するニセ暴君の時代|好書好日
  • コラム別に読む : 「嵐」の源流、金網の中のアメリカ - 尾関章 | BOOK.asahi.com:朝日新聞社の書評サイト

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    gimonfu_usr 2013/12/10
    (文趣旨と若干それたコメントを削除 ) /http://e-satoken.blogspot.jp/2013/08/2013-2011.html /
  • 「戦後沖縄と米軍基地」書評 固定化を進めた奇妙な連携|好書好日

    戦後沖縄と米軍基地 「受容」と「拒絶」のはざまで 1945〜1972年 著者:平良 好利 出版社:法政大学出版局 ジャンル:社会・時事・政治・行政 戦後沖縄と米軍基地―「受容」と「拒絶」のはざまで [著]平良好利 沖縄の米軍基地問題には、多様な主体が絡まる。立場の異なる住民、沖縄の政治リーダー、日政府、そしてアメリカ。複数の思惑が交錯する中、米軍基地は残存し、現在に至る。問題の枠組みが構造化したのは27年間のアメリカ統治時代。この時期にいかなる交渉が繰り広げられ、基地の固定化が進んだのか。 書が主に追及するのは、沖縄の政治リーダーの行動である。1950年代に住民が直面したのは、土地代金の問題だった。米軍は既存の基地継続と共に、敷地の拡張を進めたが、その土地の多くは私有地や市町村有地だった。米軍は代金一括払いによる買い上げを計画したが、住民は猛反発。反対運動が激化する。 ここで沖縄の政治

    「戦後沖縄と米軍基地」書評 固定化を進めた奇妙な連携|好書好日
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    gimonfu_usr 2013/03/16
    沖縄 /
  • 本の記事 : 国際霊柩送還士描き開高健ノンフィクション賞 佐々涼子 - 山田優 | BOOK.asahi.com:朝日新聞社の書評サイト

    『エンジェルフライト 国際霊柩(れいきゅう)送還士』(集英社)で、開高健ノンフィクション賞を受賞した佐々涼子は、贈賞式で「『おめでとうございます』と言われて『ありがとう』というのが複雑な気がします。亡くなった人の話です。それでも、その時、必要だと思って書きました」と語った。 ニュージーランド南部地震で被災した学生、シリアで殺害されたジャーナリスト。外国で亡くなったら遺体はどうなるのか。 国境を越えて、遺体や遺骨を遺族の元に届けているのは国際霊柩送還を専門で担う日初の会社「エアハース・インターナショナル」だ。この会社は年間200~250の遺体を運ぶ。佐々は約1年かけて、彼らの仕事ぶりを追った。 東京・新大久保で日語学校の教師をしていた時、新宿で働きながら日語を学ぶ生徒たちと接し、日に暮らしながら外国語しか話せない孤独を思った。「日社会の外側に生きている。さらに異国で亡くなるとなった

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  • 「やっかいな放射線と向き合って暮らしていくための基礎知識」書評 生産的な議論へ、誠実正確な解説|好書好日

    やっかいな放射線と向き合って暮らしていくための基礎知識 著者:田崎 晴明 出版社:朝日出版社 ジャンル:社会・時事・政治・行政 安全か危険かではなく、何がわかっていて、何がわかっていないかを、じっくりと、ていねいに-。放射線と向き合って暮らしていくために必要な基礎知識を、できるだけ短く、正確に、そ… やっかいな放射線と向き合って暮らしていくための基礎知識 [著]田崎晴明 昨年の東電福島原発事故による放射線の影響で、このぼくを含め日住民のほぼ全員が、恐怖と不安の中で、この一年半を送ってきた。目に見えず、なじみもない放射線を不安がるのは当然だ。だがお手軽な対応を求めて怪しげな情報に踊らされ、ためにする極論を真に受けて無用に不安をつのらせる例もいまだに多い。 困ったことに、少量の放射線による影響については、まだわからないことも多い。でも、はっきりわかっていることもある。そしてそれを知ることで、

    「やっかいな放射線と向き合って暮らしていくための基礎知識」書評 生産的な議論へ、誠実正確な解説|好書好日
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    gimonfu_usr 2012/11/21
    放射線/
  • 村上春樹さんが寄稿 領土問題、文化への影響憂う - 本のニュース | BOOK.asahi.com:朝日新聞社の書評サイト

    作家の村上春樹さん(63)が、東アジアの領土をめぐる問題について、文化交流に影響を及ぼすことを憂慮するエッセーを朝日新聞に寄せた。村上さんは「国境を越えて魂が行き来する道筋」を塞いではならないと書いている。  日政府の尖閣諸島国有化で日中の対立が深刻化する中、北京市出版当局は今月17日、日人作家の作品など日関係書籍の出版について口頭で規制を指示。北京市内の大手書店で、日関係書籍が売り場から姿を消す事態になっていた。  エッセーはまず、この報道に触れ、ショックを感じていると明かす。この20年ほどで、東アジアの文化交流は豊かになっている。そうした文化圏の成熟が、尖閣や竹島をめぐる日中韓のあつれきで破壊されてしまうことを恐れている。  村上作品の人気は中国韓国台湾でも高く、東アジア文化圏の地道な交流を担ってきた当事者の一人。中国台湾で作品はほぼ全てが訳されており、簡体字と繁体字、両

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    gimonfu_usr 2012/09/28
    東アジア /著作権 /
  • 湯浅誠「ヒーローを待っていても世界は変わらない」書評 面倒な民主主義と向き合う|好書好日

    ヒーローを待っていても世界は変わらない [著]湯浅誠 2008年末の年越し派遣村で村長として活躍した湯浅誠。彼は通算2年、内閣府参与を務め、現在は大阪を拠点に活動する。民間と行政を経験した湯浅が考える民主主義とは何か。橋下徹現象をどう見るか。 民主制は、どこまでも面倒くさい。多様な人々の異なる意見を闘わせつつ、互いに調整しなければならないからだ。しかし、特定のテーマに強い執着を持っている人ほど、「自分はわかっている」と思っているために、冷静に異なる意見を聞くことができない。相手をすぐに否定したがる。しかも粘り強く調整を行っていると、なかなか物事が決まらない上に、様々な妥協を強いられる。 すると、どうなるか。多くの人々がイライラし始め、「決めてくれ。ただし自分の思い通りに」と考えるようになっていく。ここに利害調整の拒否を伴うヒーロー待望論が出現する。 この現象は、政治システムへの不信と直結し

    湯浅誠「ヒーローを待っていても世界は変わらない」書評 面倒な民主主義と向き合う|好書好日
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    gimonfu_usr 2012/09/25
    ( 白人崇拝じゃないけれど、欧州の歴史をみてると、とんでもない大昔に代議制や共和制があったりする。あれはなんなんだろう。豊かさですかね)
  • 「円のゆくえを問い直す」書評 円高の害 異様な密度で考証|好書好日

    円のゆくえを問いなおす 実証的・歴史的にみた日経済 (ちくま新書) 著者:片岡 剛士 出版社:筑摩書房 ジャンル:新書・選書・ブックレット 円のゆくえを問い直す 実証的・歴史的にみた日経済 [著]片岡剛士 異様な密度の新書。企業が円高で悲鳴を上げる中、一面的な容認論も聞かれる。書は為替レートの根を解説、金位制から変動為替制への推移などの歴史をたどり、購買力平価やマンデル=フレミングなど為替の基礎理論を押さえ、近年の円高がなぜ有害かを堅実に説明。そして、理論的な理解をベースに、いまの円高の原因や、それが各種対応策でも改善されない理由が明快に説明され、根底にある今の日のデフレ経済という大問題へと議論が展開する。 理論、歴史、政策と、これほど盛りだくさんの内容を、手抜きなしで新書につめこめたのは驚き。各種メディアの評論家や学者たちによる変な円高容認議論のおかしさもわかるし、円高にとど

    「円のゆくえを問い直す」書評 円高の害 異様な密度で考証|好書好日
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    gimonfu_usr 2012/07/10
    為替 / 翻訳者
  • 「収奪の星 天然資源と貧困削減の経済学」書評 後代に責任とる 合意形成の道|好書好日

    「資源の呪い」のメカニズムとは? ガバナンスと資源の関係とは? 資源の探査、政府によるその価値の確保から、資源収入の消費、貯蓄、投資まで、アフリカなどの現状を分析し、その… 収奪の星 天然資源と貧困削減の経済学 [著]ポール・コリアー 資源は途上国にとって両刃の剣だ。収入は増えるが、利権と汚職の温床になったり、資源収入への過度の依存で国民の勤労意欲まで消えたり。この「天然資源の呪い」を指摘した一人が、書の著者コリアーだ。 でも、あらゆる国は何らかの天然資源を持つ。それをきちんと活用して、天然資源の呪いから脱するには? それが書のテーマだ。 その指摘は単純ながら重い。まず、天然資源の呪いは行政能力の問題だということだ。政治家の汚職を監視し、国富を国民に還元する仕組みが弱いので、資源の利益が外国や汚職政治家に吸い上げられ、無駄な投資が起きる。 さらに著者は、その背後にある思想の問題も指摘す

    「収奪の星 天然資源と貧困削減の経済学」書評 後代に責任とる 合意形成の道|好書好日
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    gimonfu_usr 2012/06/05
    理解できたら / 天然資源と行政 / 天然資源利権の再分配 /
  • 安田浩一「ネットと愛国」書評 過激さの背後にある承認欲求|好書好日

    ネットと愛国―在特会の「闇」を追いかけて [著]安田浩一 在日コリアンに差別的なスローガンを浴びせかけ、過激な行動を繰り返す在特会(在日特権を許さない市民の会)。彼らがデモで叫ぶ罵声は、侮蔑の言葉で満ちている。安田はメンバーへの取材を繰り返し、その実像に迫る。 在特会の生みの親は、桜井誠。現在も会長として運動の先頭に立つ。しかし、その来歴や素顔は判然としない。安田は、彼の地元を取材し、その「地味」で「目立たない」青少年期を明らかにする。 無口で物静かな少年は、いかにして冗舌で攻撃的な「ネット右翼のカリスマ」になったのか。桜井は、ネット掲示板韓国北朝鮮を批判し、注目を集める。次第に一部で過激なスタイルが受けはじめると、激烈な口調が加速した。 学歴社会から弾(はじ)かれ、警備員や役所の非正規職員として働いてきた彼は、役所や教育機関に対して攻撃的だ。そして、在日コリアンの「特権」を誇張し、既

    安田浩一「ネットと愛国」書評 過激さの背後にある承認欲求|好書好日
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    gimonfu_usr 2012/05/16
    「既得権益」
  • コラム別に読む : ニセ科学って何だ? 久保田裕が選ぶ本 - 久保田裕(科学医療部) | BOOK.asahi.com:朝日新聞社の書評サイト

    ■思い込みが行動を左右する 一見、科学的な主張に見えるものの、実は科学でない。そんな主張を、ニセ科学とかエセ科学、疑似科学などと呼ぶ。 血液型でその人の性格が分かるとする血液型性格判断や、マイナスイオンを浴びると健康になるとか、水に「ありがとう」と話しかけるときれいな結晶ができる、などといった類いの主張のことだ。先月亡くなったスティーブ・ジョブズ氏ががん治療に取り入れ、のちに悔やんだと伝えられる事療法などの代替医療にもニセ科学は多い。 人の行動や発言は、理性や客観性、科学的事実といったことより先に、自分が元から抱いている感情や思い込みといったものに左右されやすい。最近、この傾向が大きく出たのが、東京電力の福島第一原子力発電所の事故で放出された放射性物質に対する人々の態度だろう。 「ニッポン、頑張ろう」というかけ声のその陰で、「放射能を散らすので、福島製の花火は打ち上げるな」とか、「福島か

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    gimonfu_usr
    gimonfu_usr 2011/11/09
    「ニセ」科学摘発組/内部分裂/
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