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ジョン・ウィリアムズ「ストーナー」書評 詩情がにじむ文章の運び|好書好日
ストーナー [著]ジョン・ウィリアムズ 読んでいるあいだじゅう、心のどこかが震えているような気がし... ストーナー [著]ジョン・ウィリアムズ 読んでいるあいだじゅう、心のどこかが震えているような気がした。そして、読み終わったあともそれが続いている。 原作は1965年に米国で発売されたが、長く忘れさられていた。今世紀に入って復刊され、欧州各国でベストセラーになった。何を書いた小説かといえば、二つの大戦を経て退官間際に亡くなった無名の助教授の一生、というしかない。静謐(せいひつ)にして詩情がにじむ文章の運びがすばらしい。零細な農家に生まれた青年が文学に目覚め、結婚と家庭生活に失望し、仕事に打ち込むも大して報われないまま死んでいく。だが、これでよし。悲しみと諦めに満ちていても、人生は愛すべきもの。本書はそう確信させてくれる。 ◇ 東江一紀訳、作品社・2808円
2014/11/19 リンク